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大学事務(学務系)職員実務研修#1

以前にちょこっと書いた研修を企画した話をしようと思います。



問題解決型の実務研修


在職中に僕が企画した学務系大学事務職員の新人研修は、実践的問題解決型アクティブラーニング、いわゆるPBL形式のAL研修です。


実際の現場で起きる課題や問題を机上シミュレーションとしてグループで検討します。与えられたシチュエーションに対し、必要な「キーワード」を抜き取りそれについてグループのみんなが持っている知識をあーだーこーだ話し合います。

そのうち持っている知識があやふやなこと、欠落していること、不足していること、もう少し踏み込んで知りたいと思うこと、課題解決に関係すること、しないこと、必要なこと、そうでもないことが見つかりますので、それを今度は宿題として自分の職場へ持ち帰って調べたり、聞いたり、考えたりして、それぞれの宿題をこなします。

分量が多い場合は、グループのみんなで少しずつ分担したり、コアになりそうな事柄については全員が担当したりします。

ひとりワークを終え、再度グループで集まって各々が調べてきた事柄について情報共有します。それを基にまた議論を続けるのです。

それぞれの課題を持ち寄ってシェアすると、新たな発見が生まれます。そして同時に新たな疑問や問題、課題も生まれるのです。


そうして与えられたシナリオに対して、一定の結論をグループで出します。その後、各グループが集まり、全体での発表会となります。議論の内容をシェアしさらに大きな集合知を得るということです。



ケーススタディと大きく異なるのは、正解や正解へのルートを運営側が示さないことです。
この研修においてもっとも重要視するのは「自立性」です。状況を冷静に理解し、問題点、課題点を発見し、それを自分で解決していける人材の育成にあります。そのための手法をみんなで検討していくのです。
(グループのみんなのチカラを借りて、解決に導くルートを探すということ自体が現場で必要な協調性や柔軟性、コミュニケーション能力などを養うことにも繋がります)

したがって、正答が出なくても運営側は特にそれに言及しません。グループが課題点として抽出したものを、自由に調べ、自由に検討し、自由に解決していくのです。
もちろんシナリオには「コア課題」が作成側の意図として入っているので、そこを完全にスルーされてしまうと、横道にそれまくってしまうので、そこはある程度ファシリテーターが誘導します。


提示されるシナリオはテーブルトークゲームのように、シナリオマスター役のファシリテーター(グループメンバーの後のメンター候補者)から小出しに提示され、たとえば窓口対応が求められるようなシナリオであれば、ファシリテーターを学生や教員に見立てて、話しかけたり、必要事項を問うたりすることで、新しいデータを手に入れることができる等、現場さながらの臨場感ある作りをしています。


研修の目的


企画する際に強く意識したことは、やはり自立型人材の育成です。

できるだけ自由に、できるだけ心理安全を確保できる状態で、まだ多くの知識をもっていない職員さんたちがどのようにして課題を解決していくのかということ、解決法そのものではなく、解決に導く手法、プロセスを修得していくのか、といったことに焦点をあてています。


実社会で出会う課題や問題は、いつも正しい答えがある問題ばかりではありません。無数に答えがあるもの、答えなんてないもの、それどころか、これまで誰もぶつかったことがない問題や先輩上司には見えていない課題など、自分たちで課題を発見するところからスタートしなくてはならないかもしれませんから、誰かが解法を示したり、指導したり、という既存の研修プログラムとは一線を画するものを創りたかったというのがあります。


そしてもう一点、裏目的として「メンター制度の確立」がありました。

メンターとメンティーの関係性は「信頼」を欠くことができません。しかし、メンター制度の多くは一定のルールにもとづいてメンターが割り振られ、その関係性を築くところから始めなくてはならず、結局のところ形骸化してしまうなんてことが少なくありませんでした(というか機能したケースはほとんどないのではと思っていました)。

そのために、研修プログラムの中でメンター候補者は、グループ(メンティー候補者)をファシリテートする中で必要な関係性を構築できないだろうかと考えたのです。


次回につづく

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てしま@7つの習慣セルフコーチング認定コーチ
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