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大学事務(学務系)職員実務研修#2

ニッチ過ぎて誰が読んでくれるんだろうかと思いながら、似たような分野のひとにちょっとでも役に立つといいなと。

メンター制度の課題


さて、「メンター制度」が抱える問題のうちのほとんどは「メンターの育成」にその根っこがあるのだろうと思っています。

メンター制度を成立させるには、メンターをメンターたらしめるための育成、訓練が必要なのですが

第一に「メンターってなんだかよくわからない。」
第二に「メンターになるひとって基本できあがってるひとなので、その重要性とか、役割とか、必要なスキルとか理解してもらいづらい。」
そして、第三に「古株は基本、メンター制度を必要としてない(潜在的には必要としているがその必要性に気が付いていない)。」

という大きめの、そして厄介な問題を持っていて、これをどのようにしてクリアしていくのか、ということにエネルギーを注がなくてはなりません。


さもなければ、多くのメンター候補者が「メンター」を理解できてないまま「メンター」をすることになって(多くはたぶんそうなってると思います)、そうなると実質機能しない「メンター制度」になります。


なぜかって、「メンター」になるような年齢層、あるいは立場のひとたちにとって、「教える」とか「指導する」とかって言葉は、本来メンター制度に必要なスキルと結構な距離があるものだからです(だからこそメンター制度を必要に感じていなかったり、メンターについて教えても理解を示さなかったりするのですが)。

言葉を選ばずに言うとすると彼らにあらかじめしっかりと意図を理解してもらうことなくスタートすれば、彼らのメンタリングはすなわち説教とか、武勇伝とか、価値観の押しつけ、とかそういうものになりがちってことです。


結果、「心理的安全性」という最低条件を担保できず、メンター制度は簡単に形骸化します。

実際に「メンター制度」を受けている側の若手職員さんたちにヒアリングをすると「相談したことない」「相談しても仕事の内容が離れすぎてて意味ない」「なんかいろいろ言われるだけでめんどくさい」「結局聞いて欲しいことは聞いてもらえずに、昔の話されるだけで…」といった声がたくさん聞けました。


まぁ師弟関係のような先輩、上司に居心地良さそうな言葉を並べるだけでは「メンター制度」は成立しないのはあたりまえです。その制度、いったい誰のためのものですか?というところがおろそかになってしまうからですね。


したがって、メンター制度をしっかりと機能させていこうと思えば、「メンターの育成」は一丁目一番地です。何にも増してエネルギーを注ぐところであります。


大学事務部において人材育成はバブル期以降、定員削減の嵐が隠れ蓑になって、超絶おろそかになっています。

やらなくても当面困らないし、定員削減されたことを「忙しくってそんなことやってる余裕ない」と、免罪符にできるからです。


けれども、今、どこの大学もだんだんと人材不足になってきているのではないでしょうか。とりわけ国立大学。

人材育成は時間がかかるものです。
ピンチに気が付いてから取りかかったのでは、効果が現れるまでのタイムラグの間、誰がそのアナを埋めるのかというと現員のみなさんです。現員のみなさんはしかし「使命感」に満足していることが多くあり、人材育成が後回しになっていること、あるいは「人材」そのものが軽視されているということ、こういうことに目が行き届きません。目の前の教員や学生にとって、今この瞬間自分が役に立っていると感じれば、やりがいや自己満足に繋がりやすいからです。

その結果、たくさんのひとが倒れます。
倒れると、他の人にそのしわ寄せがいきます。
システムの欠陥を、一生懸命なひとたちがそれと知らず必死に埋めているのが現状なのです。

僕もそういうのをたくさん見てきました。


メンター制度の確立
人材育成システムの確立
現員職員へのフォローアップ

これらは今すぐ、全力で取りかかるべき課題なのですよ、お父さん。


で、メンターになるひとたちにとって何が必要かというと、いえ言い換えれば、それを身につけていなければ、メンター制度はまったく逆効果になってしまう大事なこととは。

次回につづく


サポートいただけると燃えます。サポートしすぎると燃え尽きてしまうので,ほどほどにしてください。