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学習塾のためのコーチングを学ぶ#4

学習塾向けコーチングの導入について、ご相談はこちらからどうぞ。


先回の話はこちらから。

最初に身につけるべき基礎スキル


学習塾向けコーチングは、短く、最適なタイミングで、少しずつ行えることが最大の利点です。

また、学習塾という性質上、ティーチングが守備範囲に入ることは当然なので、コーチングの前提である「答えはクライエントが持っている」をより柔軟に、かつ必死で自我を確立させようとしている多感な時期の子どもたちが対象であることをふまえてカウンセラとしてのポジショニングを意識したものになります。

これらを統合的に用いて、メンターとしての立場をしっかりとつくっていくことがとても重要だということになります。


結局、学習塾向けコーチングにおいても本来のコーチングと同様に「マインドセット」が最重要であることはやっぱり変わりません。

いいえ、学習塾だろうが、上司と部下だろうが、親子だろうが、クライエントを応援する気持ち、信じて期待する気持ちが、子どもたちの能力を底上げしてくのです。
ただその期待し、応援する気持ちが行きすぎてしまって、コーチへの過度な依存を生んでしまったり、過度にクライエントに対して指導しすぎてしまったりしやすいので、そこだけは常に注意をしておかなくてはなりませんね。

うっかりすると、考えてもらいたいところでも、つい答えをおしえちゃうとか、答えに誘導しちゃうとか、学習方法を押しつけたりとか、学習そのものを強制しちゃったりとか、してしまうんですね。



我々にできるのは、喉が渇いた馬を水飲み場へ連れて行くことで、水を飲ませることではないです。


それをふまえて、もう少し具体な話をすすめていきましょうか。

技術的な観点においても、コーチングで用いる基礎スキルはそのまま学習塾でも適用できます。

1.観る
2.聴く
3.認める
4.問う
5.伝える

ひとつひとつをここで解説することはしません。
対人支援技術においては、いずれにしても傾聴スキルは避けて通れない技術です。これらの基本スキルのほとんどは傾聴スキルと同質のものでできていますから、詳しく知りたい方は「傾聴」の技術を調べてみるか、僕がコーチング学習塾で使っているスキルそのものを知りたい方は、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

意地悪したいわけではなくて、これらのスキルは言葉だけを並べてしまうと、傾聴をこれまでしてこなかったひとたちにとっては、とても軽いものに理解されがちだから、まずは自分で調たり、誰かに相談したりして、アクティブに自分事に捉えるところからスタートして欲しいと思っているだけです。

多くの塾講師のみなさんは、すでに「傾聴」はできていると思っているか、あるいは子どもたちの話は聴かなくてもわかるとか、指導する立場だから聞くよりも話す技術を教えて欲しいとか思っているのではないでしょうか。


これまでたくさんのひとのご相談を受けていますが、上司とか、先生とかいう立場のひとは他職種に比べるとどうしてもそういう方が多いように感じてしまいます。

塾や学校では、ひとりひとりの生徒の話をしっかり傾聴する時間はないと思うかもしれません。

頻繁に1on1をするような余裕もありませんし、誰かひとりに注力することで平等性を欠くと感じるかもしれません。


傾聴できていると言っているひとが、本当にできているのを僕はこれまで見たことがないのです。
だからこそ、学習塾でのコーチングが簡単に「褒めて伸ばす」とか「笑顔で接する」とかいった小手先のテクニックになってしまっているのではないでしょうか。


断言しますが、傾聴スキルは本を読むだけでは身につきません。
動画を観たぐらいで身につくなら、僕らはこんなに苦労しません。

オウム返しするだけで対話が弾むなら
問題が解ける度に「スゴイね!」「できたね!」って言うだけでモチベーションがあがるなら
誰も困ってたりはしないわけです。


したがって学習塾にコーチングを導入しようと思ったら、必ず傾聴技術の訓練からスタートすることになります。

僕がこの春から始めた学習塾コーチングの導入プログラムでも傾聴技術の訓練から始めます。しっかり傾聴トレーニングをしたうえで、次のステップに進むのがいいと思います。



そして学習塾のコーチングでもうひとつ大切なことは、先に述べたとおりコーチングだけでは成立しない関係性であることを忘れないことです。

大切なのは、ティーチングモードとコーチングモード、カウンセリングモードの切り替えです。

学習塾コーチングは、60分のセッションを毎度取ることはできませんので、基本は「ショートコーチング」がメインとなります。
1分間程度の普段の対話にコーチングスキルを用いて行うわけです。

場合によってはカウンセリングモードが必要なこともありますし、ティーチングが必要なこともあります。

場面によって適切に切り替えることができるというのがとっても大切なのです。


つづく


サポートいただけると燃えます。サポートしすぎると燃え尽きてしまうので,ほどほどにしてください。