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学習塾のためのコーチングを学ぶ#1

子どもたちとの関わりのためのコーチングを学びたいひとへ


コーチングは褒めて伸ばす技術でもなければ、キラキラした言葉だけを投げかけるスキルでもありません。

目標達成を最短で、より達成度高くする、いわば成功プロセスの底上げをするための技芸アートです。


コーチングは短い動画を1本、2本見て修得できるようなものではありません。コーチングは幅が広く、しっかりとした定義が認知されているわけではないので、わかりやすく、とっつきやすい文言が並ぶ動画やブログが多いのは仕方ないとしても、簡単で、1週間でマスターできて、しかも効果の高いといった安い技術ではないことだけは覚えておいてください。

しかし、「学習塾」においてもコーチングを用いた関わりに期待できることはたくさんあります。できれば「先生」と呼ばれるひとはみんな本気で学んで欲しいとさえ思います。

コーチングを学び、ひとを学べば、みなさんの景色は一変します。

これまで当たり前だと思っていたことの多くがひっくり返るでしょう。とりわけ塾講師とか教員とかしているひとにとっては、驚くほどの変化に違いありません。

だからこそ学んで欲しいのです。

ただし、コーチングを学ぶとしても、コーチングの本流たる技術をそのまま学習塾にあてはめるのはなかなか難しいところがあります。
学習塾で用いるためには、その関係性や子どもたちの発育度合いに配慮しなくてはなりません。

そのあたりをふまえて、コーチング学習塾と謳っている僕の塾で使っているコーチングという技術について少し話をします。



これから開業を考えるひとへ


コーチングを用いて子どもたちと関わりたいひとのために、学習塾向けの「コーチング」を教えます。

これは「上司と部下」とか「先輩と後輩」とか、わりと近しいひとに対するコーチングを長く行ってきた者として時間をかけて蓄積させたノウハウを基にビジネスコーチングをアレンジして、うちの学習塾で用いている関わり方です。


近しいひとに対するコーチングは元来とっても難しいのです。

コーチングというのは、そもそもコーチとクライエント以外の関係性を重ねると機能しづらく、やってはいけないコーチングのひとつなのですが、なんでかというと「その関係性」が「コーチの客観性」を曇らせるからですね。


では、コーチング学習塾ではどうしているか。

コーチングを含む対人支援技術といって、パッと思い付くものを描いてみます。

異論はあるかもしれませんが、僕の理解はこんな感じです。

内側からのアプローチ。そして未来志向です。
過去のデータや記憶からの改善を期待するものでなく、これまではさておき、あるいは今まであったもの(いままでできなかったこととか、たくさんあった時間とかお金とか物とか、過去の栄光とか)はさておき、これから、今在るものを使って、どうしていこうか?と考えるものです。


コーチングでは「答えはクライエントが持っている」ことが前提なので、コーチがこれを指導したり、教えたりすることはありません。いっしょに考えたり、提案したり、示唆したりすることはあります。

客観的なフィードバックや、コーチの主観をフィードバックすることもあります。

感じたこと、思ったこと、そして見たそのままの事実を伝えたり、素朴に思った疑問や、クライエントの内面をあえて言語化させるための問い、あるいはクライエントが発した言葉を確認するための聞き返し、要約、言い換えといったこともします。

これらを意図的に行えるのがコーチングです。


しかし学習塾では「教えない」わけにはいかないこともたくさんあります。

昨今のアクティブラーニングへの移行は、大枠では大賛成ですが、しかし「三角形の特徴」とか「三角形の内角の和が180度である」とかそういう話を前提ナシで、自分の内側から問うてもやはり小学生には難しいのです(できないということではありませんが)。

こういうときはある程度の「ティーチング」要素は不可欠ですし、山本五十六さんの「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ…」はとっても大事なことなのです。


要するにティーチングやコンサルティング、カウンセリング、コーチングはいずれも万能な技術でなく、得手不得手があるものですから、場面や内容に応じて、使い分ける必要があるのです。

まして相手はまだ自我が確立できていないかもしれない子どもたちですから、年齢や発育への配慮は不可欠です。

言語理解、論理的理解、批判的な思考ができない子たちもたくさんいます。下手なことをして、たとえば現実的でない立派な正論ばかりを伝える先生の言葉に感銘を受けてしまえば、それらを全部鵜呑みにして「マインドコントロール」のような、ある種のオカルトにハマってしまうようなことになるかもしれません。


あるいは、将来に対しての向き合い方が未熟であるがゆえに、問いかけても何も出てこないこともしばしばです。時間をかけて醸成するものだからです。本流たるコーチングがダイレクトに機能しづらいことは他にもたくさんあって枚挙に暇がありません。


試行錯誤のうえ、僕が学習塾で用いるコーチングとして有効であると考えているのは、それらの対人支援技術を統合的に用いる「メンタリング」といった領域です(本来のメンタリングとは少し異なり、カウンセリングとコーチング寄りのものです)。


子どもたちとの1on1では、何よりまず彼らの心に耳を傾ける対話が重要です。それはとても時間がかかるものです。
そして双方向であることが大前提です。一方的に何かを伝えたり、価値観を押しつけたりすることはありません。

オトナが子どもを指導するのは当たり前だと考えているひとにとっては、とてつもなく辛いトレーニングが待っているかもしれません。


そういう難しいことを考えてなお、学習塾に「コーチング」を用いたいという方がもしもいらっしゃいましたら、ぜひ僕の開業コンサルを一度ご相談ください。

いかにして学習塾にコーチングを導入するのかを丁寧にお話させていただきます。

次回へ続く



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