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学習塾のためのコーチングを学ぶ#2

そもそもコーチングの目的を考えれば、本人の目標達成をサポートする意味では学習塾にだってバッチリ適合するはずなのです。

なのに、どうしてそのまま使えないのかと言いますと、学習塾において運営側の目的はほとんどの場合「成績アップ」と「志望校合格」だからです。

それの何が問題なの?
と思う人もいるでしょう。

いいえ、ほとんどのひとはきっとそう思うんだろうなぁと思います。

で、それはもちろん問題ということではなくって、コーチングするうえでコーチが目的と目標を概ね決めつけていることに問題があるのです。


ちょっと偏った発言かもしれないんですけど、成績アップって、つまるとこ大人が植え付けた目標じゃないでしょうか。

子どもたちが成績を上げたいと思うのは、基本的に「親に褒めてもらいたいから」とか「親に認めてもらいたいから」ということが多いです。

実際に僕が子どもたちと1on1をしているときに飛び出す発言の多くはこの種の発言です。

○×高校に行きたい。
なぜ?
お父さんが行けと言うから。

成績を上げたい。
なぜ?
褒めてもらえるから。



スタートをそこに置いてはいけないと僕は思っています。
勉強することは悪いことではないのだから、目的はともかく、やらないよりもやったほうがいいでしょう、と言われれば「短期的にはそうです」と思います。

表面的、技術的な行動としては結果を出すことができるのでしょう。けれども、それで本当によいのかと聞かれれば僕は自信を持ってイエスと言うことはできません。

大学に勤めていた頃、地方最難関と言われた僕が働いていたところで見た学生たちの一部には、お父さんやお母さんの期待に応えたいがためにがんばってきたことと、自分が本当に望む自分なのだろうか?という今の自分とのギャップに悩む者がおりました。

あるいは、そのことにすらハタチ過ぎてなお気が付いていない学生も多くいます。難関大学に入学したことで、親の期待に応え、自分としても満足できているのです。

ところがそういう学生たちも、就職活動が始まり、社会へ旅立つ頃になると、少しずつ疑問を感じ始めます。自分で決めた人生を送っているのか?自分で決めた在りたい自分なのか?と。


そして始まる迷走。

そういう学生を多く見てきました。
だからこそのコーチングで主体性を考える学習塾を起こしたのです。


成績アップは目的にあらず。

志望校合格も通過点に過ぎず。


成績を上げるための勉強はツマラナイ。
もっと強いモチベーションを持つには、成績をあげるための勉強ではなく、知りたいという欲求を満たすための勉強をしていきましょう。

問題を解いていると楽しい。
なぜ?
達成感あるから。

OKです。
十分です。
でも、もう少し考えて。
問題を解いているときの達成感は、どこに繋がりますか?
その達成感や気持ちよさは、続けることで何が得られると思いますか?

その末に在る「あなた」は、あなたが望む「あなた」ですか?

どこにそれを感じますか?


未来のあなたは、どんな表情をしていますか?
未来のあなたは、どんな気持ちですか?

そうして、未来の自分と対話ができたなら
その理想のあなたにきいてみたらいい。
どんな気持ちですか?
これまでどんな努力をしたのですか?
私にもできますか?


勉強は目的じゃないです。
したがって、これを促進するための声掛けは、短期的には効果がありますが、戦略としてのコーチングとは言いがたいと僕は考えています。

僕が学習塾に必要だと思っているコーチングはもっと壮大で、大局を見据えるものです。


次回はもう少し具体論へつづく

サポートいただけると燃えます。サポートしすぎると燃え尽きてしまうので,ほどほどにしてください。