自分なりの枕草子(世界自然遺産バージョン)
三毛田さんの枕草子にのかってみました
世界遺産が好きなので、日本の世界自然遺産の四季バージョンをお届けします
春は白神
緑吹くブナの双葉の鮮烈さ 長き冬に別れを告げるクマゲラの声
黒ずんだ雪も消え 森の命が動き出す
咲き誇れ 緑の葉たちよ
秋までは 君たちの季節だ
夏はヤンバル
ここでは冬も葉は落ちず 飛べない鳥がかっぽする
折り重なる山々と常緑の森は ここにしかいない幾多の命をはぐくんでいる
その森は 米軍の訓練場があったため
人が入れず守られたるはあわれなり
秋は屋久島
月に35日雨が降ると言われるのもいとをかし
小さき島に九州最高峰があるのもあわれなり
日本でいちばん雨の降りたる
それが縄文杉を育てたというのもいとつきづきし
冬は知床
雪の降りたるはいうべきにもあらず
流氷が流れ着く北半球最南端というのもいとをかし
その緯度 ヨーロッパでいえば
南フランスはプロバンスと同じというのもあわれなり
かくも、洋の西と東とは違えけり
ちがいがあるゆえ をかしきは はたいうべきにもあらず