子どもが前のめりになる!社会の授業のつくり方⑤
社会が苦手な、すべての若手教員に送ります!
5回目の「子どもが前のめりになる!社会の授業のつくり方」です。
ここまで、「社会の授業のめざすもの」「学習指導要領が教えてくれる」「子どもが前のめりになる問い」「教えない、全員で調べる」というテーマで書いてきました。
もし興味があれば、下のリンクからのぞいてみてください。
1.社会の授業がめざすもの
ぼくは社会科を、「社会を豊かな視点でとらえ、ともに幸せを追究していく子を育てる」教科だと考えています。
2.学習指導要領が教えてくれる
<授業づくりの最初の3ステップ>
(1)学習指導要領を開いて、育てる「資質・能力」を確認する。
(2)子どもの実態とすり合わせて、「育てたい子ども像」を明確にする。
(3)教育書を片手に「教科書」を「教材化」していく。
3.子どもが前のめりになる問い
<問いづくりの2ステップ>
(1)自分の問いをもつ
提示する資料に必ず、子どもたちが思わず「え、どうして?」「なんで!」と言ってしまう「しかけ」をつくる。そして、問いづくりのための「疑問詞」を提示して、言語化をサポートする。
(2)みんなの問いをつくる
それぞれがつくった問いを出し合って、つなげながら大きな問いをつくります。班ごとにまとめた問いを全体で出し合って、つなげながらみんなの問いをつくります。
4.教えない、全員で調べる
教えたいことを、子どもたち自身が調べ、習得し、活用していく単元・授業をデザインしていくことが大切です。
いかに教えないで、子どもたち自らの手で知識・技能を獲得していくか。思考・判断・表現する場をデザインしていくか。学びたいと思わせるかです。
(1)調べるための視点をもつ
(2)調べたことを説明する
の2点について子どもたちと共有した上で調べ学習をしています。
5.解決するのは子ども
それでは今回のテーマ「解決するのは子ども」に移ります。
いよいよ、みんなでつくった問いを解決する時間です。この解決に向けて調べてきたわけですから、もっとも大切な表現の場です。
表現する方法は様々あると思いますが、今回はシンプルに「学習レポート」としてまとめる方法をまとめます。
(1)解決するためのキーワードを出し合う
いきなり「書いてみよう!」では、なかなか満足のいく解決文にはなりません。そのため、調べて分かったキーワードの中から、解決につながる言葉を厳選して出し合う活動を取り入れています。
たとえば、昨年度受け持った5年生の子どもたちは、「寒い土地のくらし」の単元で「北海道は寒い気候を生かして、どのようなくらしをしているのか?」という問いを立てました。
「どんな言葉が入っていればベストアンサーになるかな?」と問いかけたところ、「北海道(の人々)」「寒い気候(を生かして)」「農業」「観光」などが挙がりました。
これにより多くの子が見通しをもって解決文を書き始めることができました。
また、こちらから「つまり」「たとえば」という言葉を使うように勧めています。この2つの接続詞を入れるだけで、子どもたちの書きっぷりがグッと良くなります。
(2)書いて即共有
そして、学習レポートは書けた人から提出させるようにしています。1人1台のタブレットを活用してノートの写真を投稿してもらいます。
そうすることで、まだ書けていない子の参考になったり、教師側が即座にフィードバックを入れたりすることができます。
投稿した人は、他の友達の投稿を見て学びを深めます。お互いの解決文を見合って、よかったら「いいねボタン」で反応します。ここでコメントし合ったり、質問し合ったりするとさらに活動の幅が広がるかもしれません。
この方法を取り入れてから、早く書けた人が時間を持て余すことがなくなりました。いろいろな友達の解決文を読むことで、学びを深める時間として使うことができます。
さらに、たくさん「いいねボタン」を押してもらうために、よりよい文章を書こうとモチベーションも高まっています。
(3)グッドノートを紹介
放課後までに全員の解決文に目を通し(授業内で大半は目を通せるので、見切れなかった数人を確認するだけで済みます)、特によく書けている子のノートをタブレットの投稿欄で紹介します。
よく書けているの基準は…「問いに正対していて「抽象+具体」の解決文になっている」「自分の考え、感想が書けている」の2点です。
範を示すことは、書くのが苦手な子にとって一番の助けになります。それも教師が書いたものではなく、「友達が書いたもの」という部分もポイントです。
このグッドノートに紹介された子は、目を輝かせて喜んでいます。特に初めて紹介された時の喜びは相当大きいようです。これもまた書くモチベーションにつながっています。
ということで、全5回にわたって社会科の授業づくりについて書いてきました。まだまだ駆け出しの身として、これからも日々研究していきます。
noteでのアウトプットを通して、自分の考えが深まったり変化したり。そのあたりを次の記事にも書いていこうと思います。日々変化!アップデートし続ける教員でありたいと思います。
少しでもみなさんの参考になっていれば嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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