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頂を目指して〜「何となく」の打破と伝説の始まり〜

ガチャッ、
ピーンポーン。

玄関の呼び鈴の音とドアを開ける音が逆。
ということは、多分『あいつら』が来たのだろう。

ガラガラガラ。
リビングの引き戸が開く音がした。

「お疲れ〜っす。」

後ろを振り返ると、
やっぱり、『あいつら』だった。

「だから、ピンポンとドア開ける順番逆だっていつも言ってるだろ。」
「だって、ドアが開いてるんだもん。」

答えになっていない。
まあ、ドアに鍵をかけないことにも問題はあるかもしれないが。

僕は、今、この部屋に入ってきた2人と同じ大学に通っている。
しかも、同じ学部、同じ学科。

何気ない日常。
授業後、誰かの家にわらわらと集まって楽しく遊ぶという、ありふれた大学生の日常。

に、見えるかもしれない。
たしかに、家に集まって楽しく遊んでいることに間違いはない。

が、しかし、
『あいつら』とはただ遊んでいるわけではない。
『ある目的』のために集まっている。

その『ある目的』とは、
「YouTubeでてっぺんを獲ること」。

YouTubeといえば、
今や、知らない人など地球上に存在しないのではないか、というくらい有名な動画配信サービスである。

一昔前までは、YouTuberはどちらかといえば嫌悪される傾向にあったが、
今やYouTuberは、子どもたちの将来就きたい職業ランキングトップにも選ばれているほどの人気がある。

名だたるYouTuberの方々に加えて、芸能人の方々もYouTubeに参入している現代は、まさに群雄割拠の時代であり、今から始めて大成功を収めるのは非常に難しい、というより無理に等しいだろう。

おそらく大半の人は、チャンネル登録者が100万人を超えるとすごいと思うだろう。
しかし、実際はチャンネル登録者が1000人を超えるだけでも、とてもすごいことなのである。

それらのことは、この数ヶ月の活動を通して身に染みて理解できた。

だが、そんなことは夢を諦める理由にはならないし、目標を達成できない理由にもならない。
どんなに道が険しかろうと、成し遂げたいことがあるなら進み続けるしかないのだ。


この世界で生きる人の中には、ただ「何となく」人生を歩んできた人もいるのではないだろうか。

何を隠そう、僕もその1人だ。

「何となく」友達と遊び、
「何となく」勉強をして、
「何となく」受験をして、
「何となく」就活をする。

そのように、ただ「何となく」今までを生きてきた僕だが、ある時ふと思った。

僕は、何で生きているのだろう、
何のために生きているのだろう、
と。

別に、死にたいと思ったわけではない。
ただただ単純に、疑問に思っただけである。

このまま「何となく」生き続けるだけでいいのか。

そんなことを考えながら、「何となく」生きていたある日。
衝撃的なことが起きる。

中学時代の友人に、「一緒に芸能事務所のオーディションを受けてみないか?」と誘われたのである。

元々、芸能関係の仕事には興味があったので、すぐさま受けることを決意した。

その頃すでに、YouTubeをやってみたいという気持ちも強かったので、YouTubeやその他新しいことにも力を入れている芸能事務所に応募してみた。

結果は…
なんと合格!

芸能事務所に所属して、僕も晴れて芸能人デビュー!
かと思いきや…
芸能事務所に所属するには、アカデミーに入らなければならなかったのだ。

そのことを全然知らなかった僕は、アカデミーの入学金及び受講料を聞いてびっくり。
結局、そのことを理由に所属を辞退することに…

ただ、今となってはそれもいい思い出。
人生で初めてメイクしてもらったり、宣材写真を撮ってもらったりもした。
どこでどんな経験をするのか、なんて分からない。

今までただ「何となく」生きていた。
その世界の淵が壊れて、広がっていくような感覚だった。

昔から、新しいことをするのは好きだし、褒められるのも好き。
あと、極度の負けず嫌い。
その割に飽き性で、地道な努力とかはあんまり好きじゃない。

優柔不断だし、今でも僕って子どもだなぁと思うことはあるけど、
「YouTubeでてっぺんを獲ること」
これだけは譲れない。

独りでは絶対に見ることができない頂の景色。
でも、独りではないのなら見ることができるかもしれない。
いや、かもしれないではない。
見ることができる。

そう信じて、『あいつら』と、そして皆さんと一緒にYouTubeで伝説を作ってみせる。

この物語はまだ終わらない。
なんて、臭いセリフかもしれない。

が、しかし、
ここからが伝説の始まり。
死ぬまで全力で駆け抜けていく!

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