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セルフコンパッション入門②

こんにちは、こうたろうです。

前回の記事で、セルフコンパッション(自分自身への思いやり)が人生の様々な面で有益であることが心理学の研究でわかってきていることをお伝えしました。

ただ、自分を大切にすることがいいとわかっていても、実践には難しさを感じる人も少なくないと思います。

そこで今回のテーマは、
「なぜ自分を思いやることは難しいのか?」です。

自己犠牲を美徳とする文化

無視できない大きな要因の一つに、自己犠牲が重視される文化が挙げられます。

私たちは学校で集団行動を身につけてきましたが、それは暗黙の内に「自分を押さえて、周囲に合わせる」ことに自分自身をすっかり慣れさせるものでもあります。

もちろん、社会的な生き物である人間が生きていくためには、集団の和を尊重することはとても大切なことです。
ただ、集団の維持を尊重するあまり、自分の心や身体を大切にすることがないがしろにされてきたのではないかという事が問題なのです。

コロナ禍以前の話になりますが、風邪薬のテレビCMで「風邪でも絶対に休めないあなたへ」といったキャッチコピーが流されたことがありました。

自分の身体がしんどくても、周囲に尽くすべき。
自身をいたわるよりも、鞭打ってでも他人へ迷惑を掛けないようにするべき。

そのような自己犠牲を良しとするメッセージを私たちは様々な場面で受け取りながらが育ってきています。
「私はもっと自分を大切にしたい」と主張することは、きっと勇気のいることでしょう。


このような文化が世の中全体として変化していくのにはまだまだ時間が掛かるかもしれません。
しかし、あなたが世間の変わるのを待つ必要はありません。

自分自身への思いやりが多くの点であなたの人生をより良くする重要なアイデアであることは様々な研究が示している事実であり、それは個人的に実践が可能なことです。

暗黙の内に自己犠牲を求められる風潮があったとしても、その状況を変えることができなかったとしても、そんな中でも懸命に生きる自分へ思いやりを持つことはできます。
いやむしろ、困難な時代に生きるからこそ、自分への思いやりが益々大切になってくるのです。
(続く)