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劣等感の正体

劣等感とはどのような時に生まれる感情でしょうか?

例えば、学歴コンプレックスというものがあります。
自分よりも高学歴な人を前にすると劣等感を感じる人は学歴コンプレックスがあると言えます。

一方で、自分より学歴が高い人を前にしても劣等感が刺激されないという人もいます。

その違いはなんでしょうか?

それは、高学歴であることを「理想」だと思っているかどうか、です。

人は劣等感を感じる時、単に他人と自分を比べているわけではありません。
他人の中に自分の理想を見ると、その理想と現実の自分のギャップに劣等感を感じるのです。


理想と現実のギャップが劣等感の正体だとすると、劣等感を克服するには2つの方法があります。

①現実を理想に近づける
②理想を現実に近づける


まず、「①現実を理想に近づける」ですが、これはコンプレックスをバネに頑張るということです。健全な努力に繋がるのであれば、劣等感は成長への起爆剤にもなりえます。自らの理想に向けて努力することは、人生ドラマの醍醐味の一つとも言えるでしょう。

しかし、この方法が通用しない場合もあります。それはどんな場合かというと、理想が現実離れしている時です。

例えば、親に「人に迷惑を掛けずに生きなさい」と言われて育った人がいるとします。この親は「人に迷惑を掛けずに生きる」ということを理想としているわけですが、親の理想というのは往々にして子どもに影響を与えるもので、この人も親と同じように「人に迷惑を掛けずに生きる」という理想を無意識の内に持つようになりました(このプロセスを内面化と呼びます)。

ここで問題になるのは、「人に迷惑を掛けずに生きる」という理想は実現可能なのか?ということです。

おそらく、100%実現させることは不可能だと思います。
なぜなら、人間は皆不完全な生き物だから。
いくら完璧でありたいと努力しても、それでも失敗や間違いを犯してしまうのが人間です。

それなのに「人に迷惑を掛けずに生きる」という理想が強く心に根付いたまま生きている人がいるとしたら・・・きっとそういった人は一向に理想を実現できない自分に劣等感を抱えたまま生きることになってしまいます。

そうならないために、私は「②理想を現実に近づける」をおすすめします。

この場合で言うと
「人に迷惑を掛けずに生きる」
は不可能ですが、
「人に迷惑を掛けないよう努力しよう。できる範囲で。」
くらいの理想なら実現できそうです。

あなたにとって大切な理想であるなら、無理やり手放す必要はありません。
でも、もしあなたを追い詰めているのがその理想だとしたら…
自分自身への思いやりを持って少し修正してみませんか?
それは自分の信念を曲げることではなく、自分ともっと仲良くなるためにできることの一つです。

まとめると、
実現不可能な理想を持ったままだと劣等感で苦しむことになります。
「その理想は実現可能なのか?」
「その理想は本当に自分にとって必要なのか?」
いったん立ち止まって、思い返してみるのはいかがでしょうか?
そうして、もし考えるとどうも胸が苦しくなるような理想だったら(それは他者から与えられた理想かもしれません)、自分がわくわくして心から意欲が湧いてくるような理想へと書き直してみる。

こんな劣等感との向き合い方もあるんじゃないかなと思います。