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翻訳について思うこと

 久しぶりに翻訳の仕事を引き受けた。翻訳料金を下げる代わりに納期に若干のゆとりを持たせて貰ったのは正解だった。ボリュームが多かったのと裁判関係の文書だったこともあり苦戦を強いられた。老眼の進行と集中力の低下を痛感したので、老後は晴耕雨読で時々翻訳のバイトで小銭を稼ぐという理想の暮らしはちょっと遠のいた。

 無事納品した安堵感の後に、もっと翻訳レベルを向上させたい!という強い意欲が沸いて来た。しかし、、、どうやって???英語は翻訳要請講座があるし、翻訳者がブログで紹介する学習方法を参考にすることが出来るがタイ語のそれは見当たらない。こうして自己啓発への渇望はしだいにフェードアウトした。(苦笑)

 私が翻訳について考えるのはもう1つの理由がある。NHKの朝ドラ「朝が来た」の原作となった土佐堀川/古川智映子著が、大同生命国際文化基金の翻訳出版事業によってタイ語に翻訳されたからである。(大同さんいい仕事してますねぇぇぇ)この翻訳出版事業はミラージャパンと言い、日本の文芸作品をアジアの言語に翻訳し、日本に対する理解を深めて貰うことを目的としており、現在8ヶ国がその対象になっている。土佐堀川はタイ語翻訳の12作目に当たるそうだ。世の中には本当に優秀な方がいらっしゃる。母国語でない小説を読破し、作家の意図を掴み母国語へ翻訳するという作業は私のような凡人には想像出来ない。
  
 翻訳という作業は西暦二世紀の半ば頃、サンスクリット語の仏典が漢訳されたという歴史がある。高邁な精神と深い英知のお陰で我々は大きな恩恵を受けているのだ。


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