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ジュリー&ジュリア

おいしい食べ物をおいしそうに食べる作品ってたくさんありますよね。「リトル・フォレスト」や「いただきます みそをつくる子どもたち」「かもめ食堂」が素敵。米とみそ汁が食べたくなります。海外作品だと日本とは違った「おいしい」のリアクションがあって好きだし、ジブリ映画の食事シーンが魅力的なのは言うまでもない。漫画でも小説でもエッセイでも、食に寄り添う作品って素敵。私自身食べることが好きなので、そういった作品に触れるとついつい頬が緩んでしまいます。

そして食だけではなく、食べる人の「おいしい」顔であったり、幸せそうに食事する姿がなんとも好きなんです。「千と千尋の神隠し」で有名な、千尋がおにぎりを食べて泣くシーンのように、「悲しくても腹は減る」「ごはんを食べると元気が出る」みたいなのも、人間だなあと思って胸が温かくなるので好きです。

食べることが好き、料理することが好き。食を楽しむことが大好きな人にぜひ見てほしい、ほっこり映画です。

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ジュリー&ジュリア(原題:Julie & Julia)
2009年/アメリカ
監督:ノラ・エフロン(Nora Ephron)

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あらすじ

主人公のジュリー(Amy Adams)は保険会社のコールセンターでクレーム対応担当として働いている。毎日かかってくるクレーム電話への対応をしている自分とは対照的に、友人は多忙な仕事をこなし生きがいを感じている。30歳を目前にし、「自分には何もないのでは」「自分にできることはなんだ」と自問自答を繰り返すジュリー。そんなある日、夫からブログの開設を勧められる。そこでジュリーは、愛してやまない料理家であるジュリア(Meryl Streep)のレシピを、365日で制覇するという目標のもと、言葉を綴り始める。

ニューヨークに暮らす平凡な女性と、パリで生活しながら料理の研究をする女性。二人の物語を描いた作品。とにかく料理がおいしそうで、食べている登場人物の表情も最高。生活も住む場所も違う二人の女性の物語。

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感想問い

※以下、少しずつネタバレあります


主人公のジュリーは、現代に生きるごく普通のOL。前述した通り、30歳を手前に、自分のやりたいことや生き方について日々悶々としている。趣味や楽しみを見つける為にブログを始める訳ですが、このあたり、普通に共感できる人多いと思いました。「自分が何者か」みたいな自問があって、「何者にもなれない自分」に葛藤してる人って割と多いんじゃないかなって思います。私も。だからそういう意味でも、主人公は「ごく普通の女性」。夫のエリック(Chris Messina)に好きなことを書けばいいと言われ、ジュリアの料理本を元にブログを始めます。

また同時に、ジュリアが料理家になるまでの物語が回想のように展開されます。愛する夫であるポール(Stanley Tucci)の転勤でアメリカからフランス、パリに移住する場面から物語は始まり、彼女もまた新しい土地で何かを始めようと、帽子作りやカードゲーム等、興味のあるものに挑戦します。どれも続かず、夫に「好きなものは何?」と尋ねられ「食べること」と答えるジュリア。そしてフランス料理を習う為、料理学校に入ります。二人とも夫からの助言でひとつ前に進むんですね。

入ったばかりで周りについていけなかったジュリアは家でたまねぎのみじん切りの特訓に励むのですが、負けず嫌いでかわいらしい!笑

この映画で、私が料理以外に好きなところ、それがジュリアのお茶目さとユーモアです。とにかくかわいらしくて魅力的です。

ジュリアの料理番組を、ジュリーが自宅で見るシーンがあるんですが、「失敗しても大丈夫、キッチンには自分しかいないからバレないわ!」的な台詞。これ、自分もやるから余計に、共感と面白さで笑っちゃいました。私はこのシーンで平野レミさんを思い出しました。(笑)

料理を楽しむ余白があるっていいですよね、大好きです。

賞味期限ちょっと切れてても大丈夫!とか、フライパンからちょっとこぼれちゃったけど洗って入れちゃえば大丈夫!とか、そういう適当さがあるのとても好きです。(自分もそうなので笑)

あとはやっぱり出てくる料理につきますね。

冒頭、ポールと訪れたレストランでジュリアが食べる舌平目のムニエル。深呼吸で肺いっぱいにバターの香り吸いたくなるやつ。


ジュリアのレシピを元に、ジュリーが作る「牛肉の赤ワイン煮込み」。塊肉焼いてる画面ってやばくないですか(語彙力)

ジュリーとエリックがブログ開設の話しながら食べる、夕食のブルスケッタ。夕食にブルスケッタて。出てきたことないわ。

以上飯テロでした。これでも厳選しました。まだまだおいしそうなごはんのシーンや市場でのシーンがたくさんあります。食べたい!作りたい!ってなったら楽しいですね。

そしてこれを食べる登場人物たちの表情やリアクションがこれまた最高なので見ていただきたいです。日本ともまた違って「オーマイガー、、、うますぎる、、、」「なんておいしいの!」「ん~~~~!」みたいなリアクションで私はもうニコニコです。


最後に個人的にうれしかったのは、メリル・ストリープとスタンリー・トゥッチのコンビ。「プラダを着た悪魔」でビジネスパートナーだった二人が今度は夫婦!スタンリーがメリルを支えるという立ち位置的には同じなんですが、キャラも雰囲気も全然違くて「メリル・ストリープ、、大女優!」となりました。あとスタンリーを「プラダ~」以外の作品で見ると「ナイジェル…!」となって個人的には謎の安心感があります。

このバキバキが

こう。すごい。

そういえば「プラダ~」でも、アンディがミランダの無茶ぶりでステーキ運ぶシーンあったな~~ミランダ到着の直前でステーキにパセリかけておいしそうだったな~~肉が食べたい。

みなさんもこの映画で美味しいもの見て幸せ気分になれたらいいなと思います。自粛が明けて外でごはんが食べられるようになるのが楽しみです。さて、明日は何食べようかな。


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