【甲南女子大学】エモくて、ハッピーな世界観…を創るのは、優れたコンテンツとバランスのよいマーケティング設計
コンテンツマーケティング・グランプリ2023
【教育コンテンツ部門・CMAコミュニティ部門グランプリ】
キャンパスマガジン「シーソー」/甲南女子大学
「私もこのラヴリーな街に住んでみたい!」
素敵な街に入り込んで、公園や商店街をお散歩したり、
ねこを追いかけて路地裏を探検したり、
友達と図書館でヒソヒソおしゃべりしたり、
ほっこりした気持ちになるのが、このキャンパスマガジン「シーソー」。
まるで街歩きガイドブックか、はたまた文学やアート系のコミュニティサイトのような印象を受けました。
この度はグランプリ受賞 おめでとうございます!
コンテンツマーケティング・グランプリとは?
日本国内のチャレンジングな企業・団体のオウンドメディアを、広く伝え、称えることが目的である「コンテンツマーケティング・グランプリ」。
この日本で唯一の、コンテンツマーケティング専門のグランプリは、2021年度から始まり、今回が3回目となります。記事サイトに限らず、動画・音声・紙メディアなども含めた、自社媒体・自社オリジナルコンテンツでの取組全般が対象です。
そして今回、2024年3月29日に、2023年度の受賞作品が発表となりました!
この記事では、受賞作品を企画・運営されている企業のご担当者にお伺いした話を元に、受賞作品の見どころ、特長をご紹介いたします。
甲南女子大学や学生たちの雰囲気を知ってもらいたい!
進学のため、受験のために探すのが大学のサイト。
たいていは大学全体や学科について、「学び」の場としての紹介やアピールが掲載されています。
「大学案内」なので当然ですよね。
ひと通り、学科の紹介を読んで、サークル活動の紹介も見て、なんとなく学風をつかんだら、その大学のオープンキャンパスに出かけてみるのが通常コースです。
ところがコロナ禍…
大学案内は事情がガラッと変わりました。
オープンキャンパスはじめとする対面での大学案内イベントが実施できなかったのです。そんななかでキャンパスマガジン「シーソー」は、2020年秋頃からの準備期間を経て2021年2月に誕生しました。
実際に訪問してみると、とても親しみやすく楽しげな雰囲気。
一方的に大学側の言い分を伝えることはせずに、進学を検討している高校生の興味関心と、大学として伝えたいことが自然に重なり合っています。
読者のリアルなお悩みや心理をよくわかっている「顧客理解」と、それをコンテンツに落とし込む「編集」、一目で好きになる「ビジュアル」の全てを兼ね備えている、レベルの高いオウンドメディアです。
オウンドメディア立ち上げのウラには、マーケティングファネルを元にした冷静な分析と戦略設計がありました。
運営体制としては、甲南女子大学の広報課所属の田坂さんがプロジェクトオーナー(一部のデレクションも)として、外部パートナーである合同会社バンクトゥと数名のチームをつくり、このオウンドメディアを制作・運営しています。
学生だけでなく先生もファンに!?絶妙なバランス感覚で情報発信!
ご存知の通り、シーソーは2人で楽しむ公園の遊具。
2人でバランスを取り合いながら揺れや高低差を楽しむもの。そんな楽しさがキャンパスマガジン「シーソー」には溢れています。
「音楽のある生活」「スポーツ、スポーツ、スポーツ!」「植物の世界へようこそ」「関西弁っておもろいやん」「コンプレックス上等!」「生理の話をしよう」「NOT読書家のための読書のススメ」「推しとわたし」等々、知りたい学問の話から興味の湧く身近な話題が中心。
それでいて、先生のアカデミックなインタビュー記事と学生サイドの楽しい記事がシーソーのように並んでいるのです。先生がたも親しみやすくて優しそうです。
特に注目したのは「大学生の友だち事情」というテーマの「学生に聞いてみましたーどうやって友だちができた?」という記事。これはこれから楽しい大学生活を送りたいと期待している高校生たちは絶対に知りたい情報のはず。
他には、「なんのためにメイクする?」というテーマの「なりたい自分に近づくメイクープロと学生が一緒に考えてみた」という記事。リアルな学生の考えや雰囲気が、プロのメイクアップアーティストとして活躍する卒業生と学生たちへの対談を通してよく伝わります。
入学を検討している高校生だけではなく、大学内の先生がたもファンにしているとのことで、いわゆる”インターナルブランディング”にも貢献できているわけです。
大学の外にも内にも愛されるメディアになっているのは、制作サイドにもシーソーのような絶妙なバランス感覚があるからかもしれません。
「伝える」前にまず「寄り添う」。読者目線に立つ大切さ
大学のオウンドメディアは、「在学生視点で大学生活や大学の魅力を高校生に向けて発信」するコンテンツと、「研究や学問を広く社会一般に向けて発信」するコンテンツの2つが主流です。
キャンパスマガジン「シーソー」でも、この2つのテーマを取り扱いつつも、その見せ方や表現が際立っています。実際には、どのような手法・体制でコンテンツを企画制作されているのでしょうか?
「大学目線と読者目線」「大学広報課と外部パートナー」「主観と客観」など絶妙なバランスの裏には、直観だけではないしっかり練られたコミュニケーション戦略・マーケティング設計を感じました。
教育機関の「広報」にも、コンテンツマーケティングを
学校の情報発信は、一言で「広報」という枠に収められがちですが、継続したコンテンツ発信を通じて「受け手(学生・顧客)」と「送り手(学校・企業)」の間の信頼を高め、中長期的に継続した成果につなげるという意味では、まさにコンテンツマーケティングの本領域。
これからも、コンテンツマーケティングを意識して、広報活動に取り組む教育機関が増えることを願っていますし、私たちCMAもコミュニティ活動を通じて、事例やノウハウの共有をがんばりたいと思います。
みなさん、ぜひキャンパスマガジン「シーソー」に訪問してみてください。”こんなにもエモくて、ハッピーな大学生活が待っているんだ!” と、ドキドキワクワクしてしまうかも!?
「コンテンツマーケティング・グランプリ2023」公式サイト
応募はオウンドメディアの運営当事者による自薦、当事者以外の他薦のいずれでも応募可能。今回の選考対象は、2023年11月までに公開された、企業・団体・個人が運営する、「マーケティング(集客・育成・成約)」「ブランディング(広報)」「人材採用」「社内教育・社内報」などを目的とするオウンドメディア、または、SNSの企業ページ/アカウント/チャネル(応募〆切は2023年12月31日)。
今回は50件を超えるご応募がありました。皆様、ご応募ありがとうございました。その中からアンバサダーの方々による投票と、審査委員による厳正な審査を合わせて、各部門のトップ評価となったグランプリと、グランプリに次ぐ優秀賞、奨励賞を選考いたしました。
※ キャンパスマガジン「シーソー」は「教育コンテンツ部門・CMAコミュニティ部門」グランプリ。アンバサダー投票で最も多い票を獲得し、また審査委員からの評価も高かった作品です。
主催:
・Content Marketing Academy
・オウンドメディア勉強会
執筆:魚住 陽向(うおずみ ひなた)
フリーランス/編集者、文筆家(小説家)
■出版・編集者&ライター:女性マンガ誌の編集者、「SPA!」(扶桑社)や情報誌ライター、お笑い芸人専門雑誌の編集&ライターなどを経験。▼企画・編集:書籍『あなたに伝えたい気持ち』(J-WAVE/光文社・知恵の森文庫)、『若手芸人パーフェクトカタログ』(廣済堂出版)■[インターネット]●「アークのブログ」(オウンドメディア)●「ARKadia」(インバウンドサイト)■[小説]●電子書籍『天然オヤジ記念物 江戸前不始末』(新潮社 第3回新潮エンターテインメント大賞 最終選考作品)
[X](旧Twitter) [note]
編集・インタビュー:Content Marketing Academy 村上 健太
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?