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【車両紹介】 オロハネ25-550(北斗星ロイヤル・デュエット、ロイヤル・ソロ / JR北海道)

オロハネ25-550は、JR北海道のみに在籍していた形式で、12両化後に10号車として連結されていた551~554のロイヤル・デュエット合造車と、9号車に連結されていた555~558のロイヤル・ソロ合造車の2種類が混在する区分になります。

JR東日本にもロイヤルとデュエットもしくはソロの合造車はありましたが、JR北海道車とは形式が異なり、ロイヤル・ソロはオロハネ25ー500とオロハネ24ー500、ロイヤル・デュエットはオロハネ24-550となっていました。

ロイヤル・デュエット合造車(車番:551~554)

ロイヤル・デュエットの合造車は551〜554の4両が該当しますが、551〜553はオハネ25からの改造、554はオハネ14からの改造です。1988年に改造された551~553の初期組と、3・4号組み込みのため1989年に改造された554の増備組では種車の違いがあるからか、いろいろところに違いがあります。

外観の特徴

外見的には、551~553の初期組と554の増備組で種車違いによる違いがあります。

左から、551/552のトイレ窓あり、553のトイレ窓なし、554のトイレ窓あり

帯ですが、オハネ25から改造された551〜553の中でも、アルコン帯のものは553で特定車番となり、551・552は3本帯となります。
※資料によっては553でも3本帯の写真もあるので、デビュー当時は553も3本帯だった可能性があります。
オハネ14から改造された554も553と同じアルコン帯ですが、種車の違いでロイヤルの窓が553よりも大型になっており、通路側の窓配置も初期組とは異なります。

  • 551、552:3本帯

  • 553:アルコン帯 ※デビュー当初は3本帯だったかも?

  • 554:アルコン帯・ロイヤル大窓

車内の特徴

内装的な違いは、初期組はデュエットのカーテンがロールカーテンで廊下側のドアの色はアイボリー、ロイヤルのマルチメディアパネルがテレビ下に設置され鏡が小さく、通路側ドアの色が茶色となっています。

551〜553は、ロイヤル個室のテレビの下にマルチメディアパネルなどがある
同じく551〜553のロイヤルのドアは茶色でデュエットのドアは白色

一方、554については、デュエットやソロのカーテンはカーテン、ロイヤルのマルチメディアパネルは窓下に設置され、鏡は大きく、通路側ドアの色はデュエットと同じアイボリーで統一されています。これはロイヤル・ソロの555~558も同じ仕様なので、ロイヤルの通路側ドアが茶色なのは初期組の551~553の3両のみとなります。
内装を作っている際、この通路側の違いに気づかずにどちらもロイヤルのドアを茶色で作ってしまったので、554のためだけに作り直しをしています。ついでにロイヤル室内の仕様は555〜558に合わせました。

ロイヤル・デュエット合造車の中でも554だけはロイヤルとデュエットのドアはアイボリー

どうも調べてみると、経緯としてはデビューと同時にロイヤル・デュエットを9号車として3両投入しているのですが、ロイヤル個室が好評だったため3・4号を定期化する際にロイヤル・デュエットを追加すべく1両増備するとともに、10号車の開放B寝台を9号車のロイヤル・ソロに変更するために555を皮切りに556~558を作ったから、ということのようです。
さらに増備組の中でも、554と555は1989年に改造し、556~558は少し遅れて1990年に改造したのでほんの少しだけ差異がある…という感じみたいです。

模型化の状況

Nゲージでは、551~554まですべて模型化されています。
特定車番の554は少し入手が難しいですが、553は2023年秋に発売される北斗星北海道編成に入ると思われます。551と552は比較的最近発売されたこともあって、オークションでも比較的入手しやすく、いずれも安価に手に入るかと思います。

なお、全個室化後あたりでトイレ窓が埋められているので、トイレ窓があるものはそれより前の時期の姿となります。
現状では553のみがトイレ窓なしで全個室化後の姿で再現されています。
554は1・2号の基本セットで特定車番としてトイレ窓ありの姿で再現されています。

オロハネ25-551、オロハネ25-552

オロハネ25-551の全景。551と552は3本帯が特徴

98656 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星3・4号・JR北海道仕様)基本セット
3本帯でトイレ窓がある全個室化前の姿で再現。

オロハネ25-553 ★特定車番

オロハネ25-553の全景

92806 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR北海道仕様II)基本セット
98835 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR北海道仕様)基本セット
アルコン帯でトイレ窓がない全個室化後の姿で再現。
アルコン帯でロイヤル窓が小さいのは553しかないため、メーカー側で明言されていないものの実質的には特定車番となります。
※「細い帯の車両を再現」とのことなので、おそらく553かと。

オロハネ25-554 ★特定車番

オロハネ25-554の全景(カーテン、廊下ドア以外未整備)

98676 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星1・2号)基本セット
アルコン帯でロイヤルの窓が大きくトイレ窓がある全個室化前の姿で再現。
これまで模型化されていませんでしたが、北斗星1・2号のセットにて念願の模型化となりました。デュエット下段のカーテンは他3両はブラインドなのに対してピンクのカーテンタイプです。

実車の状況

オロハネ25ー550はJR北海道にしかなく、3往復時代の北斗星1・2号と3・4号、2往復時代の1・2号で運用されていました。
2008年3月のダイヤ改正で1往復になった後はJR東日本が7~12号車を担当することになったため、不要になったこの形式は2008年に廃車(全車海外譲渡)となりました。

▼実車データ
オロハネ25-551:1988.2.29改造、2008.4.30廃車。種車はオハネ25-1。
オロハネ25-552:1988.3.1改造、2008.4.30廃車。種車はオハネ25-2。
オロハネ25-553:1988.4.9改造、2008.4.30廃車。種車はオハネ25-9。
オロハネ25-554:1989.3.31改造、2008.4.30廃車。種車はオハネ14-513。

ロイヤル・ソロ合造車(車番:555~558)

ロイヤル・ソロ合造車は555~558の4両が該当し、554と同じくオハネ14からの改造となります。
北斗星運行開始時には存在していませんでしたが、ロイヤルが好評だったこともあり、まずは3・4号向けに555が増備され、続けて1・2号用に556~558が増備されました。実際の運用では555~558は区別なくそれぞれの編成に組み込まれていたようです。

JR東日本のロイヤル・ソロ合造車がロイヤル個室を左側に寄せているのに対し、JR北海道では車両中央に配置することで居住性をアップさせています。
引き換えに、ソロ個室の部屋数は12室から10室となっています。

外観の特徴

種車がオハネ14で同じだからか、はたまたロイヤル・デュエット合造車と違って改造時期がほぼ同じだからか、大きな違いはありません。

オロハネ25-556の外観。555以外の3両はほぼ同じ

ただ、555だけ「屋根と青い部分の塗り分け位置が異なる」という僅かな外見的な差異があります。
が、模型ですしあまり気にしなくてよいかと思います。
ただ、今後Tomixが北斗星編成をリニューアルするとなったときに555だけ特定車番で出てくるかもしれないので、気になる方は555以外の車番にすると良かと思います。

屋根と車体の青い部分の縦の境界の位置が555だけ左右とも異なる(写真は556)

あとは、エンブレムの位置が通路側だと556のみ客扉と窓の中央に対して右寄り、それ以外は左寄りだったり、寝台側もエンブレム位置がそれぞれ微妙に異なるといった差異があります。

通路側のエンブレムが、本来は556は右寄り、その他は左寄りとなる

内装の特徴

基本的には、ロイヤル・デュエット合造車で言うところの554と同じ仕様になります。

ただちょっとした違いがあって、556〜558のロイヤル個室には、室内の窓上にステラリウムというブラックライトで浮かび上がる装備がありました。窓の上には美瑛の丘が、天井には星空の絵が描かれていました。夜に見たら綺麗だったことでしょう。
また、この3両はドライヤーを収納するスペースがテレビの上だったなどの違いもあったようです。
555のロイヤル個室は554と同じ仕様で、差はなかったようです。

通路側はロイヤル、ソロどちらのドアもアイボリー色のドアになりますので、外から見るとあまり違いが分からないかもしれません。

ロイヤル個室のマルチメディアパネルは窓下に移設されているためテレビの下にはない
ただ、555の仕様で作ってしまったので、室内は少し作り直そうと思います
ロイヤル個室とソロのドアはどちらもアイボリーになっている

模型化の状況

Nゲージでは、555のみ模型化がされていません。
時期によるトイレ窓有無以外で形態差がほとんどないので、模型化される際にも特定車番で再現されたことはありません。よって、オークションでも比較的入手がしやすい方になります。

厳密に言うと、外観上の特徴となるエンブレム位置も正規化されていないため、そこは目をつむるしかありません。
気になるようでしたら、位置的には556と同じあたりの位置に印刷されていますので556にするか、複数所有している場合には市販品を用意して自分で修正して557や558にするしかない感じです。が、そこまでは気にしなくていいかな、というのが個人的な感想です。

オロハネ25-555 ★特定車番

現在のところ、模型化されていません。

オロハネ25-556、オロハネ25-557、オロハネ25-558

オロハネ25-556の全景
オロハネ25-558の全景

92786 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR北海道仕様II)増結セット
98657 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星3・4号・JR北海道仕様)増結セット
98677 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星1・2号)増結セット
98836 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR北海道仕様)増結セット
北海道仕様II、北海道仕様はトイレ窓なしの全個室化後の姿で再現。
3・4号と1・2号のセットではトイレ窓ありの全個室化前の姿を再現。

実車の状況

全個室化後からロイヤル・デュエット合造車と同じ運用がされていましたが、2008年に廃車(全車海外譲渡)となりました。

▼実車データ
オロハネ25-555:1989.3.4改造、2008.4.30廃車。種車はオハネ14-512。
オロハネ25-556:1990.8.7改造、2008.4.30廃車。種車はオハネ14-503。
オロハネ25-557:1990.6.9改造、2008.4.30廃車。種車はオハネ14-506。
オロハネ25-558:1990.6.28改造、2008.4.30廃車。種車はオハネ14-510。

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整備記録

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