解説 一流の頭脳
受験勉強に役立ちそうな本を紹介・解説していこうのコーナーです。
本日紹介する「一流の頭脳」は
スウェーデンの精神科医 アンダース・ハンセンが
2016年に出版したものです。
この本の主旨は「身体を動かせば、脳が働く」。
内容を皆さんの勉強に直接役立つように
3つのポイントにまとめてみました。
1.脳にブレーキをかける要因
2.それを防ぎ、活性化させるには?
3.実際にどんな運動をして、どんな効果が得られるのか。
精神科医の先生の話といっても難しい話はなくて、
今すぐにでも始められ、脳を活性化できる内容です。
ぜひ実践してみてくださいね。
それでは始めていきましょう。
1.脳にブレーキをかける要因
脳にブレーキをかける要因は2つあります。
1つはストレス。2つ目は血流の滞り。
まずストレスについて。
適度なストレスは集中力を高めてくれるものではありますが、
過度なストレスや慢性化は頭の働きを鈍らせます。
ストレスで頭の働きが鈍くなるメカニズムは、
ストレスを感じる⇨コルチゾールが分泌⇨海馬がコルチゾールを制御しようとする
⇨海馬がすり減る⇨海馬が小さくなる
というもの。
海馬の役割は記憶を仕分けすることでありまして、
短期記憶から長期記憶につなげる大変重要な役割を担っています。
つまり海馬が小さくなるということは、
長期記憶がスムーズにできないということ。
受験勉強においては、完全にアウトですね。
また、血流の滞りですが、
この原因は運動不足とストレスにあります。
血流が滞るということは脳に酸素がいかないこと。
脳に酸素がいかないと、なんと前頭葉も小さくなるそうな。
前頭葉は「考える」「判断する」働きがあるので、
この部分が小さくなるということは…
これまた受験勉強においてはアウトですね。
2.それを防ぎ、脳を活性化するためには?
ということで、恐ろしい要因2つはわかったわけですが、
ではこれにどう対処するか。
この筆者がいうには、
「とにかく運動しろ!」だそう。
え?
と思うかもしれませんが、
この本で書いてあるのは徹頭徹尾
「運動しろ!」ってことだけです。
運動すると血流がよくなる、というのは
ご存知かと思います。
血行が良くなると、脳に酸素が行き渡るので
血行不良により脳が小さくなってしまう…
という問題はクリア。
では、ストレスはどうか。
ストレス同様、運動でもコルチゾールが分泌するから
運動したほうがいい、と筆者はいいます。
なんだよ、それじゃだめじゃないか!?
コルチゾールって海馬を小さくするんでしょ?
と、私も本を読みながらツッコミを入れてしまったのですが、
筆者によると、
運動することで、コルチゾールが分泌されるが、
この場合、運動が終わるとコルチゾールはサーッと減っていく。
これを繰り返すことで、コルチゾールが分泌されにくい身体になる
とのこと。
ストレス反応が軽減されるそうです。
なるほど。
血流改善と、ストレス軽減に
運動が役立つことがわかりました。
3.実際にどんな運動をして、
どんな効果が得られるのか。
ある実験で、持久系トレーニングを一年間やったグループと
やらないグループで海馬の大きさがどのように変化したかを
調べたそうです。
その結果、「した」グループは海馬が1.2%増え、
「してない」グループは1.4%減!
先述したように、海馬は短期記憶を長期記憶にする橋渡し役。
つまり、運動しているかどうかというのは
単語や公式、解法の暗記などに
ガツンと影響してくるのです。
また、BDNFという神経栄養因子があるそうです。
これは海馬に多く発現し、
脳細胞を守り、成長を促し、脳細胞同士の繋がりを増加させ、
短期記憶から長期記憶への転送をしやすくする物だとか。
これを見る限り、
どうやらBDNFというのも、勉強には不可欠なものらしい。
そしてそのBDNFは、
有酸素運動で増えることがわかっている!
運動っていうのはなんとも偉大ですね。
ただ、適度というものがあり、
やりすぎると逆に単語を覚えるどころではなくなるので
(その辺はわかりますよね)注意が必要です。
さて、最後に応用編。
皆さんはどこで勉強しているでしょうか。
多くの人が、教室だったり、自習室だったり
図書館だったりと答えそうです。
iPhoneを作ったスティーブ・ジョブズはご存知ですね。
彼はミーティングを会議室ではなく、
散歩しながら行っていたと。
とある実験で、テーブルで勉強したグループと、
歩きながら勉強したグループのテスト結果を比較したところ、
後者の成績が60%高かったそうです。
思考も暗記も、身体を動かしながらやることで、
これまで以上の結果が出ることがわかっています。
落ち着きがない!
と先生に怒られようが、勝てば官軍。
ぜひ、受験生活に運動を取り入れ、
なおかつ身体を動かしながら勉強しましょう。
clue zemi の詳細・お問い合わせはこちら↓