婚活に対する等身大の今の気持ち
1人。
たった1人、見つければ良いだけなのに。
何十億人もうじゃうじゃと人がいるこの世界で、たった1人、ペアになる人間を見つける。
ただそれだけのことが、こんなにも苦しい。
婚活に対する等身大の今の気持ち
とうもろこしき
学校の授業でこんな呼びかけがある度に、少しだけヒヤッとした。
でもそのわずかな不安は、いつも0.5秒で打ち消される。
私にはいつもすぐペアになってくれる相手がいたし、うっかり溢れたことなんて人生でほとんどない。
でも婚活を始めて数年、私はこの心もとないヒヤヒヤ感を、ずっと感じ続けている。
夜、ひとりぼっちの布団の中で、胸の上のあたりがざわざわと騒いで眠れなくなる。
日本の平均初婚年齢は…
女性の平均初産年齢は…
この平均って晩婚化してる都会の
統計も入ってるから高いけど、
うちの地元の平均は…
LINEの女友達の名前やアイコンがどんどん変わっていく。
見慣れない苗字やイニシャルがちゃっかりくっ付いている。
ひとこと欄にこれみよがしに書かれた「旧姓〇〇」の文字。
つい先日まで予見すらしてなかったはずの、可愛らしい子供の写真。
インスタグラムには、婚約指輪の写真、結婚式の写真、生まれたての赤ん坊の写真、二足歩行になった幼児の写真…と、彼らの目まぐるしい環境の変化がリロードする度に現れる。
次は第二子が生まれた写真、三兄弟の集合写真…
えっ、この間、体感時間2ヶ月くらいなんだけど。
私が相席屋行って合コン組んでマッチングアプリスワイプしてるだけの時間に、どうやって子供3人も産んだの?
絶対何かズルしてるでしょ。
自分以外の人間が、どんどんアップグレードしていく。
人生のステージが移行する様を無意識に見せつけられる。
夫・妻という立場を手に入れて、父親・母親という顔を手に入れて、自分という存在の機種もOSも次々アップデートしていく。
私はずっと、生まれたままの、誰も驚かない平凡な姿。
大昔から変わらない、何のオプションも付いていない真っさらな太古の機種を、いつまでもしぶとく使ってる。
みんなは iPhone X なのに、自分だけ iPhone 5 みたいだ。
顔認証?なにそれ私の搭載してない。
完全に世間に置いていかれたなぁ…
こんな型遅れの人間と、ペアになってくれる人はいるんだろうか。
毎年数千人の異性と出会って、その中の百人くらいと仲良くなって、お気に入りの10人くらいから告白されているわけだから、出会いがないとか全くモテないわけでもない。
それなのに誰も選べない。
こと結婚となると、それらが全部逆効果になってしまうんだろう。
恋愛や婚活が「けっこう当たるから辞められないギャンブル」みたいになってしまって、時間感覚も麻痺してしまうから、永遠にその場をループする。
1人、たった1人さえ見つければ、この苦悩から解放されるのに。
自分の年齢とか、周りの環境とか、世間の目とか、親に孫を見せなきゃとか、何も気にせず毎日楽しく生きてみたいなぁ。
未来の自分がやってきて、「大丈夫、〇年後に結婚できるよ」ってそっと教えてくれたらいいのに。
それかもう、「どうせ結婚できないから諦めていいよ」って教えてほしい。
私を解放して欲しい。
毎日プレッシャーの中で生きてる。
疲れて婚活のできない週末に、罪悪感を感じながら生活してる。
外に出ると叩かれる時代に生きている。
でも婚活をやめて引きこもると、「行き遅れだ」と叩かれる年齢になっている。
もう全部やめてしまいたい。
コロナ禍で現金の支給とか要らない、結婚相手を支給して欲しい。
……なんて制度ができたとしても、私はきっとその人と結婚できないんだろうなぁ。
だって、ここまでがんばってしまったから。
学生時代の同級生とサクッと結婚した人たちや、年齢に焦ることなくスムーズに結婚できた男女が知ることのない感情を、これほどまでに感じてしまっている。
最初から何もがんばらなければよかった。
過度な期待をしなければよかった。
時間やコストをかけ過ぎなければよかった。
学生時代に付き合ってた人と何も考えずに結婚をすればよかった。
プロポーズをしてくれた彼と、スムーズに結婚すればよかった。
私の人生、大当たりを狙って長時間打ち続けてるパチンコみたいだ。
多少の出玉が出ようとも、サンクコストをかけすぎていてその程度じゃ撤退できない。
まだ違う、これじゃない、こんなもんじゃ終われない、だってここまでお金も時間も若さも人生もすべて注ぎ込んできたんだから。
こんな当たりなら最初の頃に何度も出たでしょ、これとは違う当たりを出してよ…
日中普通に過ごしていても、夜ひとりでベッドに入ると不安な感情が込み上げてくる。
そして今日も、スマホでその不安を検索する。
結婚 できない 女
婚期 平均 男女
結婚 できる確率 〇才
街コン 〇〇市
オフ会 〇〇市
相席 来店者数 リアルタイム
マッチングアプリ 成婚率
結婚相談所 年齢
婚活 しんどい
…
実家の田舎町に帰るたびに、「〇〇さんのところのお姉ちゃん、まだ結婚してないの?」「もう何才になる?結婚できんのかねぇ」と噂されてるように感じる。
被害妄想かもしれない。
でも、適齢期にペアを組めていないだけで、田舎の女はどうしたって肩身が狭い。
結婚相談所のテレビCMが流れるたびに、母と気まずい論争が起こる。
行きなよ。
やだよ。
なんで、あんたの世代もおるやろ。
女は若いのもおるけど、男はおじさんばっかりよ。〇〇ちゃんが去年1回入ってみたらしいけど、一回りくらい上の人ばっかですぐ辞めたって。それにまだ相談所じゃない場所での出会いを私は探したい…
あっそ。
じゃあもうずっとお母さんと住みなさい。
うん、そうする。猫でも飼って生きる…
もう嫌だなぁ。
父親から結婚について何も訊かれないのは、きっと母が裏で釘を刺しているからだろう。
あの子に結婚のこと訊いたらだめよ。
デリケートな話題だから。
そりゃ学生時代は彼氏のこととか訊いてただろうけど、今はもうあの子も年齢が…
腫れ物だなぁ。
早く結婚して、このヒヤヒヤとした焦りや周囲への苛立ちを全部クリアにして、ただみんなと同じになって、心穏やかに生きたい。
これが私の本当の願いで、結婚や出産はそれを実現するためのただの手段に過ぎないのかもしれない。
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