【62】 "仲直り用メイク"で華麗に別れを回避
このお話はセフレだった男女が
結婚するまでの1000日間を
赤裸々に綴った超絶ドロゲス
ノンフィクションエッセイです
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前回までのあらすじ
アラサーにしてセフレの"イケチン"に沼った私は、どうにかこうにか交際まで漕ぎ着けるも、度重なる彼の不誠実な言動に嫌気が差し、自ら別れを選ぶ。その後、条件最高で性格のいいハイスペくんと出会うも、彼のあまりにも残念なセックスに交際を躊躇していたある日、元カレのイケチンから「彼女ができた」という報告が。それにより自分の中の未練に気付き、ハイスペくんからの告白を断りイケチンと復縁するのだった。
女と楽しく飲んでいる場所に突撃され、「メンツを汚された!別れたい!」と連絡を寄越してきたイケチンのマンションに行くと、そこにはふくれっ面で私を迎え入れる可愛いイケメンがいた。
なんかもうここまでくると、私はだんだんと彼のことが可愛く思えてきてしまって。
若いイケメンらしく無敵のパワーで破天荒に飲み遊び回るんだけど、ちょっと抜けてるもんだから私に簡単に嘘がバレたり居場所を特定されたり、それで毎回プンスカ怒ってみるものの私にスルーされて肩透かしを喰らって、そのことにへそを曲げてまたプリプリして…
なんかもう手のひらの上でコロコロ転がる小動物みたいな男の子だなぁ、と思うようになってきたので、私は「別れるっ!」と噛み付いてくる彼をどうにか宥めようと作戦を練ってその話し合いに臨んでいた。
具体的にどんな作戦を練ってきたかというとね、化粧。
私はこの日、彼と別れ話をするためだけに、1時間以上もかけて自宅で念入りに顔をつくり込んでいた。
すると彼は、私と話し合っている途中から、「かわいい」という気持ちがおさえられなくなり、私を近くに呼んで「かわいい…」と3度くらい呟いたかと思えば、
と、ぐちゃぐちゃの心境を語り始めた。
一方で私は、「そりゃそうだろうな、だって別れを回避するために、わざと"それ用"のメイクをしてきたから」と内心ほくそ笑んでいた。
実際には当然、話し合いで彼に伝えることリストだったり、別れを回避するための戦法を色々と練っていたけれど、結局のところそんなものはオマケ程度の効果しかなく、
最終的に2人の関係を決定づけたのは、その日の私の容姿のつくり込み方だった。(話し合いの途中で見事に形勢が逆転し、彼の謝罪&やり直したいムーブが始まったから)
▼ この日の詳しいメイク方法は当時リアルタイムで書いたこの記事に!
そんなわけで彼の「絶対に別れる!」という主張は簡単に覆り、チョロすぎる修復作業が終わって私たちは再びカップルとしてやり直すことになった。
夜遊び中のクラブに突入して「別れる!」とブチギレられてから、仲直りセックスをするまでの期間、わずか23時間。
茶番だなぁと思いつつも、私がなぜそこまでスピーディーに関係を修復したかったのかと言うと、
実はこの週末に2人で遠方への旅行を控えていたから。
もうホテルも飛行機も手配して、旅のプランも完璧に決め、私はその都市の中心部の地図までしっかり暗記していたから、どうしても行きたかった。
もはや「彼と別れたくない」という気持ちの3割くらいは「その旅行をキャンセルしたくない」という理由が混じっていたようにさえ思うのだけど、とにかく私はその旅行を2ヶ月前に復縁した頃から楽しみにしていた。
そう、その旅行は、言わば私とイケチンの復縁記念旅行なのだ。
そんな邪な理由もあって即座に関係を修復した私は、大好きな男と初めての飛行機旅という夢のような時間を過ごすことができた。
今振り返っても、この旅行は本当に楽しかった。
大自然に心洗われたのか、彼も酒と欲にまみれた邪悪な日常を反省し、先日の一件を誠心誠意私に謝って、「俺はまず、こしきちゃんの親に会いに行きたい。それから同棲したい」と伝えてくれた。
これでもう安心、イケチンの夜遊び癖はなくなっていくだろう…
———と思ったのもつかの間、こんなことで大好きな夜遊びを諦める彼ではなかった。
この旅行の翌月、私たちの付き合い方が大きく変わるトラブルが発生し、前代未聞の監視カメラが彼の部屋に導入されるのだった。
プロローグに書いてた監視カメラ、ようやく出ます…
▼ メイクネタはこっちにも
-【63】へつづく -
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