彩瀬まる(2018)『不在』KADAKAWA
どうしてここまでも人間というものは生まれ育った時の愛情の数に翻弄されるのだろうか。いびつな家庭で育った主人公が恋人との将来にもその病理を持ち込んでしまう。呪いのようにどこまでも付きまとう家族の歴史。
愛着障害として人口にも膾炙されてきたように思われる一連の現象に、未だに明快な説明をつけられない気がするし、どうやってそれを回避したらいいのか分からない。執着を捨て、この主人公のように愛なき一歩を踏み出すのもまた一つだろうか。
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