鯨井あめ(2022)『晴れ、時々くらげを呼ぶ』講談社文庫

くらげを雨乞いのように呼ぼうとする女子高生の奇行をアクセントにして、親子関係、他者への関心、夢や優しさという思いの有り様を描く長編。どこか儚げな文体は、ガラス細工のように大切にしたくなる現実を象徴しているようである。

小説を題材にした小説ということもあり、読書好きには楽しい。本好きは物静かだと思われるが、実は真逆であるというのは本当に真実だと思うし、何が好きにせよ興味の向くものに一心に走っていける姿は素晴らしい。

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