細野豪志著・開沼博編(2021)『東電福島原発事故 自己調査報告:深層証言&福島復興提言:2011+10』徳間書店

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圧倒的に良書。復興に関する本の中で一番時宜にあった「今、全国民に読んでほしい一冊」。科学的な証明が書き込まれているわけではないが、現役の一政治家がその政治生命を賭して、数多の取材を積み重ねた上で世に問うている提言であり、信頼に値する。

東日本大震災復興のなかで特に遅れている福島の原発事故からの復興に向けた様々な具体的な示唆を与えてくれる内容。目下話題の「処理水」はもちろん、甲状腺検査の倫理的問題、除染土の再利用問題等々、福島の復興に死活的に重要な諸問題への責任ある解決策の提案がなされている。

その当時、大臣として担当し正に決断を下した人間が、自らを省みて今改めて為すべきことを提言しているというその事実だけでも歴史的価値が非常に大きい。さらに関係者へのインタビューも積み重ねている。本当に良書。

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