斎藤環(2016)『承認をめぐる病』ちくま文庫

画像1

社会を支配する「大きな物語」が消失した我が国で、承認を与えてくれる唯一の存在となった「個々の他人」に何とかして認めてもらおうとする現代人の心理構造を分析した本著。今も繰り返されている若者論をめぐる言説の、始祖のお一人とも言えるのではないだろうか。

本の構成としては、複数の寄稿を一冊に綴じたものであり、それについての説明や順序の工夫が不足しており若干ちくはぐな感じ。また、筆者も言及しているが、後半部分は本書の主題と少し距離が離れる。表紙の子は可愛い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?