有川浩(2017)『キャロリング』幻冬舎文庫

画像1

基本的には家族や恋人との絆をテーマにしたエンタメ本。キーとなる子どもがどこか年齢離れしていて、物語の進行上仕方ないにしても少し残念。しかしながら、要所要所の心理描写が的を射ていて秀逸である。

夫婦の争いを目前で見せられる子どもの感情、元恋人への自然と出てしまう躊躇い、親代わりと思ってきた人への信頼、取り戻せない愛しさと変わらない愛情。生きとし生けるものの感じる情動の大きさよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?