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【考察】『悪質なイタズラか?玄関先に置かれる献花の謎 - Flower Offering』【フェイクドキュメンタリー「Q」】


はじめに

皆さん、こんにちは。葉月めまいです。

本稿では『フェイクドキュメンタリー「Q」』のYouTube動画、
『悪質なイタズラか?玄関先に置かれる献花の謎 - Flower Offering』を考察していきます。
ネタバレを含みますので、視聴後に読んで頂けると幸いです。

↓元動画 ホラーなので苦手な方は注意。










では、ここからネタバレ有りで考察していきます。

今回の話は一見したところ、
謎を解決する解釈が、既に用意されていますね。

「献花は悪意ではなく、悪霊を鎮める目的で行われていた。」
「献花がなくなったので、Sさんの部屋に悪霊(=黒い影)が現れた。
悪霊による被害が出たので、Sさんは引っ越した。」

この解釈が、まあ一般的な結論でしょう。

最後に明かされる会話(「特に困っていることはない」)も、
上記の解釈を補強しているのだと考えられます。

しかし、葉月はあえて、この結論に異を唱えたいと思います。


矛盾

重要な点は、監視カメラに映っている「Sさんが出かける様子」です。

外に出る際、Sさんは施錠をしていません。
おそらく鍵を掛け忘れたのでしょう。

ところが、Sさんが帰宅した場面では、
Sさんが扉を解錠した上で入室しています。

この一連の描写は、Sさんが出かけた後で、
室内から施錠が行われたことを露骨に示しており、

すなわち、実体を持った何者かが、
この時点でSさんの部屋に存在していたということになります。

しかし、ここで翻って一つ、考えて頂きたいのです。

なぜ悪霊が戸締まりをしてくれるのでしょうか?
これはSさんに何の被害もないどころか、むしろ善行です。

この施錠に関連する一連の描写は、
室内の黒い影が、悪意を持っていない可能性を示唆しています。

ならば、献花は本当に「霊を鎮めるため」に行われていたのでしょうか?
Sさんは本当に「悪霊による被害」を理由に引っ越したのでしょうか?

そうでない、と考える方が自然な解釈ではないか、と葉月は思うのです。


仮説①

ここで、話を献花に戻します。

監視カメラを設置してから花束が置かれなくなったということは、
監視カメラが設置されたことを知った人物の中に犯人がいるはずです。

とすると、花束を置いていた犯人は、上階の住人でしょう。

上階の住人は、不自然にSさんの部屋を見つめている様子が、
監視カメラに映されています。

Sさんは以前から張り紙を貼っていると言っていたので、
張り紙に注意を引かれただけ、という可能性は低いと思います。

では、上階の住人が犯人だとして、その目的はなんでしょうか?


関連性

注目したいのは、花束を包んでいた、刻まれた家族写真です。
あの写真、明らかに既視感があります。

Q:7でオレンジロビンソン氏に送られた画像との類似性です。

↓Q:7の考察記事


オレンジロビンソン氏への依頼は、
家族写真に顔を合成すること」でした。

一方、花束に巻かれていた写真は、
顔の部分を擦って削り取られて」いました。

両者は、明らかに対になっているように思えます。
となると、二つの出来事の首謀者は同一犯である疑いが強まるでしょう。

葉月はQ:7の考察において、
Xさん=Hさん」という結論を出しました。

今回はそれと繋ぎ合わせて、
上階の住人=献花の犯人=Xさん=Hさん」という仮説を唱えます。


仮説②

さて、Q:7の考察記事では、あくまで犯人当てに焦点を当てたので、
画像の合成に呪術的な意味があったか否かは重視しなかったのですが、

最終的にオレンジロビンソン氏とその先輩は、
同じような症状に至っているわけですから、

「精神的な疲弊と、単なる偶然の一致」で済ませるよりも、
呪いであると解釈する方が妥当と考えられるでしょう。

そして、「写真に顔を合成する」手法による呪いの効果が、
至るところに、存在しないはずの顔が見える」ものであるならば、

逆に「写真の顔を擦って削り取る」手法による呪いの効果は、
存在するはずの顔を、認識できない状態になる」ものなのではないか、と
仮説を立てられます。

つまり、献花の目的は、写真を送って呪術を成功させ、
Sさんをある対象の顔を認識できない状態にすること。

あくまでも主目的は写真であり、
花束は、写真に気づかれないためのカモフラージュだったのでしょう。


仮説③

続いて、Sさんと「黒い影」の関係性について考えていきます。

「黒い影」が悪意を持っていない、という前提の上で、
なぜSさんの部屋に「黒い影」が存在するのでしょうか?

もしも「黒い影」が地縛霊的な存在で、その場を動けないだけだとしたら、
Sさんの側が何も対策を施さないのは妙に感じられます。

献花がなくなった時点で、「黒い影」を認識できない理由はないので、
お祓いを呼ぶなり、警察を呼ぶなり、テレビスタッフに訴えかけるなり、
なんらかの反応があるはずです。

以上により、Sさんは「黒い影」の存在を認識した上で、
許容していると考えられます。

逆に、「黒い影」はSさんの部屋にいることを望んでいるでしょうか。
もしもSさんが誘拐犯で、「黒い影」はその被害者だったとしたら?

こちらの仮説も成立しそうにありません。

せっかく逃げ出せるチャンスなのに、
「黒い影」がわざわざ戸締まりをした点と矛盾するからです。

さて、「黒い影」が一方的に取り憑いているわけでもなく、
Sさんが一方的に監禁しているわけでもないとなると、

Sさんが「黒い影」を、
合意の上で匿っているような状況だと解釈できます。


結論

ここまでの考察をまとめます。

Sさんは、「黒い影」を何者かの手から匿っていた。

それに対し、Hさん(上階の住人)は花束に偽装して写真を送り、
呪術的な効果によって、Sさんが「黒い影」を認識できないようにした。

しかし、テレビスタッフが監視カメラを設置したので
Hさんは献花をできなくなり、Sさんの認識が正常に戻る。

その後、Sさんは(おそらく「黒い影」と共に)、
Hさんから逃れるために、引っ越して行った。

以上が、葉月の解釈となりました。


補遺

SさんとHさんの素性は、Q:8に登場した「白装束の人々」に、
何か関連しているのではないか、と考えましたが、
ちょっと解釈が難しいですね。

↓Q:8の考察記事


自然に解釈すれば、「白装束の人々」は何かの団体でしょうから、
Hさんがオレンジロビンソン氏に写真の合成を依頼したことと、
微妙に矛盾すると思うんですよねぇ……。

団体内に、画像の合成をできる人間が1人もいないとは、
まあ考えにくいわけなので。

Sさんについては、「組織の裏切り者」的なポジションが、
一応あり得るとは思います。

ただ、そうなると、Hさんの立ち位置がなおさら分からない……。

そんなこんなで、今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。



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