『マザー/コンプレックス』水生 大海
痴漢事件をきっかけに崩壊していく三家族を描いたバリバリのイヤミス。
胸糞悪い人物や、過保護な母親がわんさか登場するがミステリとして十分面白かった。
亡き息子の痴漢冤罪を信じSNSにのめり込んでいく母親、痴漢被害に合った娘を思うあまり暴走する母親、待望の子を妊娠中に痴漢容疑で逮捕された夫を持つ妻。
三家族はどれも地獄だ。
痴漢事件を機に、登場人物達が皆、エスカレートしていく姿はスリリングで片時も目が離せない。
思い込みによって起きた悲劇には言葉を失う。
我が子の為ならば鬼にでもなれる母親の愛情と紙一重の狂気にやられた。
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