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『グリフィスの傷』千早 茜
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「竜舌蘭」
「結露」
「この世のすべての」
「林檎のしるし」
「指の記憶」
「グリフィスの傷」
「からたちの」
「慈雨」
「あおたん」
「まぶたの光」
傷に纏わる10話収録の短編集。
1行目で千早さんを感じる。
そしてすぐさまその静謐な世界観に惹き込まれた。
事故による傷、自ら刻んだ傷、心の傷。
傷はかさぶたとなり剥がれ落ちなめらかになる。
だが傷跡の記憶や、目に見えない傷(グリフィス)は、いつまでも心に居座り自分を苦しめ続ける。
犬嫌いな男と、この世の全ての男を嫌悪する女性を描いた『この世のすべての』
心の傷の深さに胸が締め付けられた。
拙い記事を読んでくださってありがとうございます(*´▽︎`*)