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『受精卵ワールド』本山 聖子



デビュー作『おっぱいエール』に続き二作目となる本作もとても良かった。

主人公は不妊治療専門クリニックで胚培養士として働く長谷川幸。

不妊に悩む患者や生殖医療に関わる医師、胚培養士達の葛藤が伝わり何度も涙が込み上げた。
日々、受精卵と向き合い命の誕生を祈る幸自身も出生に秘密があり自身の存在意義を模索している。

様々な場面で共感し、その度に感情が揺さぶられた。

結婚も妊娠も決して当たり前ではなく血縁が絶対でもない。
幸せの形を決めるのは、無責任な第三者ではなく自分自身だ。

今、生きている奇跡に感謝し命の尊さに想いを馳せる。




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