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『未知生さん』片島 麦子



未知生さんの事が頭から離れない。

空気が読めなくて、どんくさい。
でも現実にいそうだなとも思える。

物語は、41歳にして不慮の事故で亡くなった羽野未知生に生前関わった男女七人の視点で綴られる。
未知生に出逢った人達、それぞれの物語も面白い。

皆の語りで、おぼろげだった未知生さんの輪郭が徐々に形成されていったが、終盤で彼の抱えていたものを知り、それまでに抱いた印象は一変。

元カノに向けた言葉も、通勤電車内で繰り返された光景も、肝試しビルで起きた出来事も、全てに理由があったなんて。

読後は未知生さんの苦悩と献身に胸が一杯。




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