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『今日の花を摘む』田中 兆子
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時折挟まれる静謐な茶の湯の世界と相反するように性に貪欲な女性の姿が描かれている。
主人公は中堅の出版社に勤め茶道を嗜む51歳独身の愉里子。
愉里子の趣味は、男の人との肉体を伴ったかりそめの恋。
タイトルは彼女がひそかに呼んでいる「花摘み」から。
花摘みを繰り返していた彼女が本気で好きになった相手は、茶の湯の粋人で70歳の万江島。
中高年の性愛を軸に、職場でのセクハラ事案や親の介護問題などが同時進行で展開していく。
性に対する赤裸々な会話に引いてしまう場面もあったが、何事に対しても凛として立ち向かう愉里子の姿が印象的。
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