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『人間標本』湊 かなえ



途轍もなく残酷で救いのないイヤミス。

ページを捲ると最初に目に入るのは、美少年をモチーフにした六枚の妖艶な写真。
タイトルから察するに嫌な予感しかしない。

案の定、彼らは猟奇殺人鬼による被害者達。
彼らを殺害し標本にした犯人は自ら手記を残し逮捕される。

ネットでは誹謗中傷が噴出。
この時点でサイコパスが犯した犯罪だと思い込まされるが、そこからの二転三転が凄まじい。

新たな事実に衝撃を受け根底にあった愛情を知り打ちのめされていると、読者を弄ぶように事実は覆される。

終盤は反転に次ぐ反転で黒幕の正体に愕然。

最狂のイヤミスだ。




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