『黒蝶貝のピアス』 砂村 かいり
最近、注目している作家さん。
瑞々しい文章に惹かれます。
『アパートたまゆら』『炭酸水と犬』
2021年に同日発売された二作で心を鷲掴みにされた砂村かいりさんの最新作。
本作もとても良かった。
舞台は小さなデザイン会社。
求人に応募した環は、その場所でかつて推していたアイドルユニットの菜里子と再会を果たす。
恋愛要素も織り込みながら主軸となるのは環と菜里子。
親や友人との関係性や性的搾取、仕事、恋愛等で揺れ動く感情が丁寧に掬い取られ、瑞々しい筆致で紡がれる。
自分が過去に経験した記憶が思い起こされ共感を覚える。
互いに支えあい試練を乗り越え絆が深まっていく二人の姿が眩しかった。
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