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マイナスな経験は失敗経験か?(アドラー心理学3)

はじめに

アドラー心理学って聞いたことありますか?色んな自己啓発本やらなんやでも紹介されているので名前だけは知っているって人は結構多いと思います。
有名なのは「嫌われる勇気」でしょうか。真面目な日本人に多い、人間関係に悩むそこの貴方、一度読んでみるのもありかもしれません。

今回参考にしているのは、小池直己氏による『英語で楽しむアドラー心理学 その著作が語り語りかける、勇気と信念の言葉』で、その内容にいくつか補足や私見なんかを添えて紹介していきたいと思います。

どちらも、専門書ではなく自己啓発本や多読本に近いので読みやすいと思います。

ざっくりアドラー心理学


まず、アドラー心理学とは、文字通り心理学者のアルフレッド・アドラーの考えをもとにした心理学で、その特徴は「目的論」を基礎としているところだそうです。他にも4つ基礎的な考えがあって、それらを合わせて5つの前提があるのですが、アドラー心理学の講義をしたい訳じゃないので、必要なときに必要なだけ説明することにします。

「人間の悩みの基は、ぜんぶ人間関係だ!」的な考えがあって、その解決や対応について多くのおすすめの考え方が存在するのが魅力ですね。

本文

今回のテーマは「マイナスな経験は失敗体験か?」です。

感覚的にはマイナスな経験はどちらかというと失敗にカウントしてしまくなるような気もしますが、アドラー心理学ではその経験が失敗経験となるか成功の基となるかはその人の受け止め方次第であるとしています。

例えば、何か大きな舞台で失敗してしまった経験がトラウマになって表舞台から姿を消してしまう人もいれば、同じような経験が奮起のきっかけになったという人もいます。

アドラーはこのようなことから、「どのような経験もそれ時代は失敗の要因でも成功の要因でもない」としたのです。

これはいじめや虐待などの悪意によるマイナス経験でも同様に捉えるそうです。

繰り返しになりますが、「どのような経験をしたか」よりも「その経験をどう受け止めたか」つまり「どう認知したか」が重要だといいます。このような理論を「認知論」といいます。

またこの主張は、ただただポジティヴであれと説いている訳ではなく、レジリエンスの重要性についても認めています。レジリエンスとは、「復元力」などという意味ですが、ここでは「立ち直る力」のようなニュアンスであるように思います。

古くから七転八起のような熟語や
「 生きるうえで最も偉大な栄光は、決して転ばないことにあるのではない。転ぶたびに起き上がり続けることにある。(ネルソン・マンデラ)」
のような名言のなかにも、強さ以上に再び立ち上がることの重要性を説いたものは多くあります。

また、倒れることや傷ついて落ち込むことは人生において避けられないことだと思います。ただ、そこから「立ち上がる」という行為は自らの意思で起こすことができます。

そこに大きな意味を見出すこの考えは、「重要な部分は自分の意思のみで決めることが出来る」と、そっと人生の手綱を手渡してくれるようなニュアンスをも感じます。

まとめ


・失敗か成功かは、「どのような経験か」ではなく「どう受け止めたか」に由来する
・倒れないことよりも、立ち上がることにこそ価値がある
・人生の手綱はあなたの意思に


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