プラタナス。心に添う景色が、そこに
ずいぶんと前、職場が、
神保町にほど近い、そのビルにあった。
隣りは、フランス語学校で、
階段を降りると、カフェテリアがあり、
ちょっとした読みものも
置かれていたように記憶している。
その学校の学生ではなかったが、
売店で何かを買ったこともある。
御茶ノ水駅から下った界隈は、
トチノキやプラタナスが
並木となって景色をつくっている。
それは少しだけ、
現実から遠のく時間をくれる。
職場のある建物が面した通りは、
マロニエ通りと呼ばれていた。
実際に陽光を浴びて立っていた