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君達(広報担当者たち)はどう生きるか?広報活動とは結局なんなのかを思案してみた~広報活動8か条のご紹介~

広報活動の目的は結局何なのか

みなさん、こんにちは。
今回は、ほぼ毎日考えているんじゃないか、というテーマです。私たちは、なぜ広報活動を行わなければならないのか?私たちにとって、広報活動とは何なのか?そしてすごく大きなテーマにすると、広報担当者はどう生きるべきなのか?そんなことまで話が飛躍するくらい、このテーマは奥が深いと思っています。
私もPRプランナーの端くれとして、このテーマをしっかり考えていこうと思います。
※残念ながらジブリ新作の考察でもなんでもありません!


最新!広報の定義


2023年6月20日に広報学会から、広報の定義が発表されました。学会が広報を定義するのは、1995年の設立以来、初めてのことであり、界隈では大きな話題となりました。今年定義されたものは、以下となります。

組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である。

https://www.jsccs.jp/info/news/post-4.html

取り巻く社会的・経済的環境は変化を続け、企業等の組織における広報業務の重要性が増し、広報実務も変化を求められているなか、明確な定義が確立されました。

広報やPRに従事する方はぜひ本文を読んでいただきたいところですが、ご丁寧に要約もつけてくださっているので、そちらを引用させていただきます。

①「広報」「パブリック・リレーションズ」「コーポレート・コミュニケーション」を同じ意味を持つ言葉として定義したこと。
②広報の主体を広く捉え、「組織や個人」としたこと。
③広報の目的を、「関係の構築や維持」ではなく、(組織や個人の)「目的達成や課題解決」 としたこと。
④広報の客体を「パブリック」ではなく「ステークホルダー」としたこと。
⑤目的に至るまでの過程として、目標に「社会的に望ましい関係を構築・維持する」を掲げ、 そこに信頼・倫理・自己修正の概念も包含したこと。
⑥広報の分類を「コミュニケーションプロセス」ではなく「経営機能」としたこと。

https://www.jsccs.jp/.assets/definition.pdf

個人的には、特に①が浸透するのに時間がかかるかなという印象を持っています。ただ今回定義ができたことにより、ゆっくりとそのあたりの印象が緩和していくことでしょう。

広報活動8か条の制定

定義されたのはいいとして、じゃあ広報担当者は一体何すればいいんでしょうか?となってしまいますよね。ですので、広報として今回定義されたものに則って、担当者がやらなければならないことを、10のフェーズに分けて落とし込んでみました。

  1. 【収集】自社・他社含め、多くの情報を収集する

  2. 【公開】情報を誰しもが見れる状態にする

  3. 【対話】出した情報への質問・意見に耳を傾け、対話する

  4. 【増産】質問・意見を基に、提供情報を補正・増産する

  5. 【拡張】情報を多くの人に見てもらう手立てを取る

  6. 【改善】会話を社内にフィードバックし、事業に活かす

  7. 【議論】望ましい関係構築のために必要な議題を提供する

  8. 【確認】関係構築が事業成長に寄与しているか確認する

※意義・異論大歓迎です!

つまるところ、広報活動の本質は、いろいろな人とコミュニケーションを取り続け、社内と社外で対流させる、事業成長と良好な関係構築の両方を達しさせることに他ならないなと考えます。

広報活動がうまくいっていない例を考えるとおそらく、発信と拡張ばかりに重点を置いているからではないでしょうか?広報活動は意味がない、広報活動は結果が出ない、と言われる所以は(すべてではありませんが)ここにあるのかなと思っています。情報発信を頑張っていても、対話が生まれないと広がっていきません。また、対話や会話を無視し、広げることばかり考えていてもうまくいきません。メディアに掲載してもらえば多くの人に見てもらえる!ということが最もあり得ることですが、対話や会話をするという意図がないと、無理が生じ、うまくいきません。

河川型ではなく海流型へ

著作者:brgfx/出典:Freepik

日本の広報活動が今一つ進化しないのは、おそらく広報活動やPR施策が「河川型」だと思われているところが原因かもしれません。つまり、上流(企業)から情報を流して、下流(生活者)に届ける、という考え方なのですが、最近の成功案件を拝見していても、このタイプじゃないなと思っています。
最初に広報活動の本質は、いろいろな人とコミュニケーションを取り続け、社内と社外で対流させること、と述べた通り、成功している企業の広報活動は、海流のようだと感じています。つまり、海洋がぐるぐると地熱や栄養を循環させていくように、情報を循環させていくことを重要視していると感じています。

情報収集(広聴)が何よりも重要

つまるところ、広報活動で大事なことは、情報を出すことではなく、集めることにあります。今の営業資料で、どんな質問があるのか?SNSではどう表現されているのか?競合はどんなところが評価されているのか?既存顧客からの良し悪しは?どんなクレームが多いのか?などなど。対岸の声に耳を傾けることのほうが、情報発信より、何十倍も大事です。そうしていけばおのずと、聞こえてくる外の声に対応するにはどこを直すべきなのか?どんな補足情報を出すべきか?何が足りないのか?など、拾った声を基に改善がなされていきます。広報に意味が出るのはまさにこの部分です。

君達はどう生きるか

もう一度言います。広報は、いろいろな人とコミュニケーションを取り続け、社内と社外で対流させることを使命としているべきです。少し強い言い方をすると、企業の都合のよい情報の発信と、拡張(メディア掲載など)だけが広報ではありません。この、海洋型コミュニケーション戦略を取っていける企業こそ、今後残っていく企業だと確信しています。
広報は意味がない、と思っている人こそ、本当の広報活動をしているのか?今一度見直してみてください。事業成功のヒントは、すぐそばにあるかもしれません。


私のプロフィール

リクルート関連会社で求人広告の企画営業、カフェプロモーションの企画制作会社でのシニアアカウントエグゼクティブを経て、ブランドプロデュースカンパニー株式会社マテリアル入社。化粧品/日用品メーカーの新商品販促企画、PRディレクションを経験。クリエイティブやプロモーションと連動したPRコンストラクチャーを得意とし、PRに紐づくクリエイティブディレクションも行う。現在新規事業を推進するため、株式会社CONNECTED MATERIALに出向し、広報とメディアとのマッチングプラットフォーム「CLOUD PRESS ROOM」のカスタマーサクセス責任者、広報アドバイザー、PRプランナーという顔つきで従事。

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