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あなたの情報がメディアに掲載されない理由は?時間がない担当者が優先すべきメディアリレーションズ。

みなさん、こんにちは。
メディアに自社の情報を掲載してもらいたい。そう強く願う広報・PR担当者は多いと思います。実はメディアに情報掲載いただくこと自体はそこまで難しいことではありません。なのになぜ、あなたの情報だけは掲載してもらえないのでしょうか?この記事では、メディアに掲載していただけない理由の解明と、メディアに掲載していただくためのヒントをご紹介いたします。これで誰しもがメディア掲載獲得に一歩近づきますよ。

しかしながら、初めに現実をお伝えしておきます。
簡単に稼げる仕事はないのと同じように、簡単に掲載してもらえる方法も存在しません。結果労力はそれなりにかかることを事前に理解してください。また、上級者にとってはごくごく当たり前のことを記載しています。この記事は、広報・PRの初級者~中級者向けだとご理解下さい。


メディアが掲載してくれない理由

まずはあなたの情報が掲載されない理由をジャンルわけしてみました。

  1. 情報を見られていない

  2. 内容がよくわからない/判断できない

  3. 時期が合わない

  4. ニュースではない

  5. 読者のニーズと合わない/編集方針と合ってない

  6. 他社のほうがいい情報だった

大きくは上記6つのうちどれかかなと。あとは、たまたまです。ちょっと深堀していきましょう。

1.情報を見られていない

記事を書く人の頭に届いていない状態です。もう少し細かくわけると、

  • 連絡先が分からなくて送れなかった

  • メールフォルダに埋もれてしまった

  • 目には入ったけど見られなかった

が挙げられます。連絡先は、直接ではなくても問い合わせフォームが大体のメディアにはありますので、そのあたりを活用することで解決しますし、フォルダに埋もれないように、タイトルと検索してもらいやすいワードを入れておくという工夫で回避できるかなと思います。

2.内容がよくわからない/判断できない

メールやリリースの内容を理解するために労力がかかるもの、たくさん文章を読まないといけないものは、倦厭されがちです。リリースの書き方講座が散々展開されてますので、ぜひ一度ご受講いただきたいのですが、ポイントは、ぱっと見で書いてあることがわかること。これも皆さんがおっしゃってますが、タイトルと写真で判断できないなら、残りの文章は読んでもらえませんので、タイトルで完結に述べてください。

3.時期が合わない

夏にクリスマスの情報送っても、季節感あってないですよね?

情報は受け取っているが、今じゃなくてもいいかも、と思われているケースです。これは残念ながら、待つしかありません。ただ、工夫をするのであれば、今掲載したほうがよい情報を添えて情報提供することです。

4.ニュースではない

最も多いのがこれです。読者・視聴者にとってその情報がニュースではない、ということです。会社にとってはニュースでも、相手にとってニュースかどうかはまた別の話です。

5.読者のニーズと合わない/編集方針と合ってない

これも多いです。例えばお試し記事は書かない媒体なのに、試食会に招致する、白物家電しか取り扱わないのに、ガジェット系の情報だった、などです。ここは完全に媒体研究不足が原因です。

6.他社のほうがいい情報だった

いい情報、の定義はいろいろで、挙げればきりがないのですが、商品自体が魅力的だということはもちろん、書いてある内容が過不足がなかった、対応がスムーズだった、サイトやSNSにもしっかり情報が掲載されていた、などです。

メディア掲載に一気に近づけるものはどれか?

結論、「5.読者のニーズと合わない/編集方針と合ってない」、次に、「4.ニュースではない」を改善することです。5.が理解できれば、4.はすぐにできるようになるかなと思います。
読者にとってのニュースであること、読者のニーズや編集方針と合っているかをおさえることができれば、飛躍的にメディア掲載確率は上がるでしょう。リリースの書き方や送り方も大事ですが、読者のニーズや編集方針を理解していくことで、文章がどんどん上達していくので、手を付けるなら先に④と⑤なのです。広報コンサルティングを実施するとみなさん、ここをかなりすっ飛ばしてます。理由は時間がかかるからでしょう。読者ニーズと合っているか?編集方針と合っているか?を一つ一つ読み解くのはかなり時間がかかります。ですが敢えて言わせてもらうと、誰でもいいから掲載してくれ、のような文章送っても、見てもらえません。回り道ですが、確実な方法だと思っています。

たくさん、は諦めましょう。

とはいえ皆さん、多くの業務がある中でメディアの勉強をすることは難しいとも理解しています。ですので、最初からたくさん掲載を獲得する、ということは考えないようにしましょう。まずは一つだけ、媒体の研究をしてみまてください。なんでもいいから掲載を獲得したいと考えていると絶対に節々で失礼が顔を出します。のでその私欲はぐっと我慢。まずは一つだけ、丁寧に読み解くことから始めましょう。
いろんな人に好き好き言っている人に、魅力感じないのと同じです。

媒体を読み解くポイント

メディアに掲載されるポイントはそれこそいろいろあるのですが、見てほしいのは、自分たちと近しい情報が、そのメディアでどんなふうに掲載されているのか?です。どんなふうに、がわからないと、連絡したとて思いは伝わりません。見分け方はパターンがありますので、ぜひ参考にしてください。
なお、メールを送るときのテンプレートを作っておきます。結論これを埋めることで、メディアからの反応が大きく変わってくると思います。

**さま(記事を書いた人を名指しで送る)

お世話になっております。
この度**さまが執筆された以下の記事を拝見させていただき、もしかするとご興味を持っていただけるのではないかと思い、ご連絡いたしました。
http://******(見つけた記事を付ける)
こちらの記事では、******(商品など)のレビューをされておりますが、弊社からも商品レビュー用の商品提供が可能です。比較していただき、もしお気に召しましたら、ぜひ記事化のご検討をいただきたいと思っています。
リリースそのほか資料はこちらからダウンロードくださいませ。
https://*****
その他ご入用な情報がございましたら、遠慮せずおっしゃってくださいませ。
よろしくお願いいたします。

ざっとこんな感じです。このまま使えるパターンとそうじゃないことがあることは承知しております。伝えたいことは、このテンプレを使ってください、ではなく、以下の要素を抑えることです。

  • できるだけ記事を書いた人を名指す

  • 記事を読み込み、どんな記事になるのかを想像したうえで情報提供する

つまり、自分たちの情報に興味を持ってもらいやすい人を、記事から捜し出し、その人に情報提供することです。これが商品レビュー系ではなかった場合も同じです。

**(競合商品)のニュース記事を拝見し、ご連絡いたしました。
http://******(見つけた記事を付ける)
実は弊社、******をしている企業でして、この度●月●日より、*****(ニュースの内容を簡潔に)という運びとなりました。読者さまにも有益な情報かと思い、情報提供をさせていただきました。
詳細は添付のプレスリリースをご参照くださいませ。

とか、

以前**さまが執筆しておりました、「ヤングケアラー」に関する記事を拝見させていただきました。
http://******(見つけた記事を付ける)
弊社もヤングケアラー対策の一環で、*******というサービスを開始いたしました。商品レビューはおそらく***(メディア名)だと少し合わないかと思いますが、ヤングケアラーに関する情報でしたら、我々から***や***という情報提供が可能ですので、執筆活動の参考にしていただけましたら幸いです。
小さなことでも構いませんので、疑問点や深堀したい情報がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

とか。
いくつかパターンを出しましたが、共通点はわかりましたか?このメールは、記事や編集方針を理解しないと送れないということがわかると思います。お忙しいみなさまはたくさんは送れないかもしれません。ですが、たくさんBcc.で送るよりも、1日1通、このメールを送るために30分だけ時間使う、としたほうが格段に効率が良いです。メディア掲載は正直、ガッツや根性でどうにかなるものではありません。おそらく諸先輩方も納得いただけるのではと思うのですが、広報上級者の諸先輩方、いかがでしょう?

リスペクトを持った活動を。

時間がかかるからしょうがないかもしれませんが、媒体研究はメディアへのリスペクトでもあるのです。情報提供の仕方にせよ、リリースの書き方にせよ、実は節々から伝わってくるんですよね。うちのことをタダで宣伝してください、という私欲が。
残念ながらメディア側には、企業の宣伝を肩代わりするつもりは毛頭ありません。宣伝できるために広告枠を用意してあるからです。広告枠をご案内すると、じゃあいいです、となる。タダで宣伝してくれ、という要望を素直に受ける人いるでしょうか?それって、お金ないからおたくの商品タダで譲ってください、と言っているのと近い。それってかなり失礼なことだと何となく理解できたかなと思います。
たくさん送って当たればいいや、ではなく、一つ一つ丁寧に送ることが近道です。まず1つのメディアから実践してみてくださいね。

【番外編】編集方針は大きく2パターンです

執筆メディアは3つに分けられます。媒体研究をするときに参考にしてみてくださいね。

①リリースが、ほぼそのまま掲載されている場合

資料か何かを参考にしながら記載されているような文面だった場合、その多くはプレスリリースを基に書かれたものと推測されます。代表的なメディアとその記事はこちらです。

ざっと説明すると、トーンというブランドが新作下地とファンデーション出しましたよ、という記事です。書かれているものは、その詳細ですよね。この手の記事の掲載ポイントはずばり、情報が新しくニュースであり、読者ターゲットとマッチしていることです。ニュースだったら掲載されますし、そうでなければ載りません。この場合出すタイミングと、媒体との親和性がもっとも大事だと思ってください。あとはもう運次第ですが、リリースが上手だとわかりやすく掲載率上がります。このあたりは諸先輩方が丁寧に解説してくれています。ぜひ読んでいただきたいのですが、私が伝えたいのは「宣伝チラシにするな」です。宣伝チラシはそのまま掲載できないので面倒がられて捨てられます。
リリースがどのくらいの分量使われるかは、メディアによりけりです。ほとんど手が加わらないパターンもあれば、独自の書き方で掲載になるパターンがあります。どのくらい手が加わりそうかがわかれば一人前ですね。

このように横並びでまとめられることもあります。

② 取材記事や番組

例えばこのような記事ですね。いわゆる取材記事と言われるものです。
明らかに自分で体験したもの、取材をしたものを掲載していることがわかると思います。ガジェット系や化粧品、日用品はもちろん、たとえば社長取材や導入先紹介なんかもこちらに該当いたします。

このパターンはぶっちゃけリリースは重要ではありません。きっかけにはなるかもしれませんが、あくまでも正式文書として活用するくらいのイメージです。取材や体験したいかどうかで決まります。
取材したい、体験したいと思わせるためには、やはり取材対象そのものの魅力が大前提です。新しい機能が搭載されていたり。上記のようにあり得ない量のパクチーが挟まっていたり。人であれば、その人しか話せないことが話せたり。面白い経歴があったり。何を取材できるのかをしっかり明記すると、受け取り手も記事化の判断がしやすいので、ぜひ記載してください。

また上級者向けテクニックですが、限定的な界隈でいいので、流行っているという状況をさっさと作ってしまうことで、のちの取材獲得を狙うという方法です。流行っているものは誰しも気になるものです。界隈と敢えて書いたのは、界隈での流行を、メディアで大衆に広げる、という戦略だからです。
流行っている状況をいかに早く作るか?を考えられるようになれば、強い組織となってくるでしょう。ちなみにテレビは流行っているものに弱いです。早めに流行っている状況を作れれば、テレビOAも夢じゃないですよ。このあたりはまた別の記事にて解説させてください。

界隈消費、は最近よく聞く言葉ですよね。ぜひチェックしてみてください。


私のプロフィール

リクルート関連会社で求人広告の企画営業、カフェプロモーションの企画制作会社でのシニアアカウントエグゼクティブを経て、ブランドプロデュースカンパニー株式会社マテリアル入社。化粧品/日用品メーカーの新商品販促企画、PRディレクションを経験。クリエイティブやプロモーションと連動したPRコンストラクチャーを得意とし、PRに紐づくクリエイティブディレクションも行う。現在新規事業を推進するため、株式会社CONNECTED MATERIALに出向し、広報とメディアとのマッチングプラットフォーム「CLOUD PRESS ROOM」のカスタマーサクセス責任者、広報アドバイザー、PRプランナーという顔つきで従事。

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