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なんでもない日、万歳!

今日は、「波」というお題で短歌を一つ書きました。朝起きたときに、お題を頭に刷り込んでから、歌集を読んで、お茶を飲んで、遅めの朝食に野菜を食べたら、しばらく昼寝。

そろそろ日が傾きかけたころ、いざPCに向かうと、言葉がするりと浮かんできました。書くことって不思議だなと感じた瞬間でした。きっとパンを作るときのように、書くことには熟成させる時間が必要なのでしょうね。

それで思い出したのは、映画『ふしぎの国のアリス』に出てくる「お誕生日じゃない日の歌(The Unbirthday Song)」の話です。お誕生日は1年に1度しかないけれど、なんでもない日は364日もありますよね。そこでお茶会の登場人物であるマッドハッターたちは、「なんでもない日おめでとう」と、歌うのです。

この歌には、日々を愛おしむことの大切さというメッセージが織り込まれているように感じました。楽しい日も、悲しい日も、忙しい日も、退屈な日も、みんな大切な1日なのですね。

そう考えていくと、書くべきことが何もない日も、よくよく観察してみるとどこかにキラリと光る日々の結晶が転がっているものですね。それは、「幼いころに見た子供たちの笑顔」や「困難を乗り越えた瞬間の歓喜」といったものです。

日々の結晶は、楽しかった出来事、悲しかった出来事、そしてそれらによって呼び覚まされた懐かしい記憶が、まるでワインのように時をかけてじっくりと熟成されて生まれます。

そして、心の中のとても静かな場所、緑の木々に守られた秘密の庭で、結晶は静かに息づき、ゆっくりと成長していきます。それは春の日のように穏やかな光を放ち、滑らかな感触が手に心地よい宝玉にも似ています。しかし、緑の木々に守られた結晶を手にするには、特別な呪文が必要です。

そう、それが「なんでもない日、万歳!」です。すべての日常よ、輝きあれ! と、私たちの日常を全肯定するこの言葉には強い力が込められています。そして、繰り返し唱えることで心は少しずつ揺り動かされ、何でもない日々が本当に愛おしく思えてきます。

するといつもは気にもとめなかった日常の中に、美しい景色や小さな喜びを見つけるようになっていきます。これこそ秘密の庭があなたに向かって開いた瞬間です。

書き手に取ってみれば、どんな日常であっても宝の山。いわば原石のようなものなのかもしれません。だからこそ、そこに気づかずにいるのはもったいないです。

自分の経験を、そして日常を、自分なりの切り取り方で一つの絵にしてみましょう。それが文章を書くということであり、日々の結晶を見つけるということなのです。

あなたの心にある秘密の庭には、どんな結晶があるのでしょう。想像するだけでも、なんだかワクワクしてきませんか。文章を書くということは、いままで気づかなかった自分の輝きを知るということでもあります。

たくさんの輝きにあなたが出会えますように。
何でもない日、万歳!


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#66日ライラン

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