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ショーン・タンの言葉に学ぶ、創作でいちばん大切なこと/『ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ』

ショーン・タンはオーストラリアの作家で、5年間をかけて描いた絵本『アライバル』で注目を浴びたイラストレーター、絵本作家です。作品は世界中で翻訳され、日本でもベストセラーになったので、ご存じの方も多いかもしれません。

日本にも何回か来日しており、2019年には「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」と題して東京のちひろ美術館他で、作品が公開されていいます。

先日、その図録を読んでいたら、収録されていたインタビューにいい言葉があったのでnoteを書くことにしました。彼は、アーティストの方々や、アートを目指す皆さんに向け、こんなことを言ってるんです。

前向きでいて、他人の意見やスタイルに悩んだりせずに、自分自身が一番楽しめることに目を向けて下さい。僕自身これまで様々な目的のために様々な手法で制作してきました。目的とは商業的目的なこともあれば、個人的な目的でもありました。けれど、僕が毎回驚かされることは、自分にとっても他人にとっても最良の作品というのは、実は一番奇妙で、個人的で、変わっていて、癖のあるものだということです。

ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ

彼は『アライバル』の前に創った絵本『ロスト・シング』のアニメーション映画化に9年を費やしました。そして公開し、2010年に第83回アカデミー賞短篇アニメ賞を受賞しています。

5年かかった『アライバル』にしても、9年かかった『ロスト・シング』にしても、その時間は一番楽しいと思える時間であったに違いありません。そして、だからこそ、素晴らしい作品ができあがったのでしょう。

そして、彼は「アーティストになりたいと思う人は諦めずにベストを尽くして根気よく制作を続けてください。難しいことですが、楽しいですし、やりがいがあります。自分自身が作品に満足して成功していると感じられたなら、他人がどう評価しようと、きっとあなたは成功しています」とエールを送っています。

文章でも絵でも音楽でも、1人で続けていると、ときに行き詰まって「自分には才能がないのではないか」と不安になることがあります。しかし、それでも続けてみる。高い山を登ることは大変ですが、登り続けた先にある景色は絶景です。その景色を見たくて、私も一歩ずつ歩いています。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
よい一日を!

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