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良い時も悪い時も続くよIR

上場直後のイケイケな雰囲気の中での、特に業績が良い時のIRはなかなか気持ちが良いです。
日本中から注目されているぞ、という前向きな誤解で、ついつい話も盛ってしまいがち。(自分だけか?笑)
でも、言っちゃなんですが、このタイミングでのIRはたいして難しくないです。

その後、時が過ぎていくにつれて、よほどの好業績が続かない限りは少しづつ注目度も下がっていきます。
次々と色んな会社が新しい話題をふりまいて出てきますからね。
そして以前は熱心に質問してくれていたアナリストにとって、うちの会社は彼らがたくさんカバーしている中の1社にしか過ぎないという、当たり前の事実にも気づいていきます。
たいていは、まだ買ってもくれていない。

その後、当初ぶち上げていたバラ色の未来がだんだん現実に近付いていき、徐々にIRが難しくなっていきます。
ここからが勝負。
一貫したIRストーリーなんて語れないです。大波に翻弄されるながら生きているわけですから、計画通りに進むわけなんてないでしょ。
話しながらそれを一番理解しているのも当のCFO本人で、聞いているアナリストたちも話半分なのが透けて見えるようになってきます。

技術論としてのIRについては、たくさんの方が書かれていて、私もいろいろ参考にさせていただきました。
それはそれで大事だとは思いますが、何よりも、最初にその会社、その社長に出会ったとき、自分はどこにほれ込んだのか、何に魅力を感じたか、本質的な何かをしっかり信じ続けられているかどうかが大事なんだと思います。
それがなくなってしまったら、IRなんてできないんじゃないかな。

この仕事、ただの「業務」になると苦痛以外の何物でもないです。
何よりもまずCFOが、その会社の、その事業の一番の信者であるべきなんですよね。


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