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カカオ/チョコレートを上手に扱く鍵『乳化』とは?

チョコレートドリンクを楽しむ際に、以下のようなことを感じたことはないでしょうか?

◾️舌の上にざらつき感が残ってしまう。
◾️時間が経つとカカオ分が沈澱し、分離してしまう。

チョコレートドリンク

製品により異なりますが、カカオ分86%のチョコレートには約50%の油脂分(カカオバター)が含まれています。
チョコレートと液体を混ぜたときにざらつきが残ってしまう原因は、【液体】と【カカオバター】が、本来混ざることのない【水】と【油脂】であることに起因すると私たちは考えています。

カカオバターをスプーンで混ぜて混ぜても混ざりません。

チョコレートが溶けて一見混ざっているように見えるチョコレートドリンクも、実際には液体とカカオバターは混ざっておらず、これがスムースな口当たりを阻害していると考えられます。

19世紀に生まれたココアパウダーは、水に馴染みやすいようにカカオの油脂分を取り除くための技術でした。しかし、多くの香りを含むカカオバターごと滑らかなドリンクに仕立てるのは依然として難しいままです。

そして、これまでの技術では難しかった「水」と「カカオバター」を均一に混ぜ合わせることができるのが、CLOSERの強みです。

この強みによって、チョコレートドリンクをはじめ、ガナッシュ、チョコレートソース、チョコレートカクテルなど、さまざまなチョコレートの加工の場面で活躍することができます!

CLOSERを使うことでどのような変化が生まれるのか、いくつかの比較実験をご紹介します。

1.カカオバターの乳化実験

まずは60度のお湯100mlに、5gのカカオバターを乳化させた実験です。

カカオバターの乳化実験

ホイッパーで攪拌したものは完全に分離している一方で、CLOSERで乳化したものは白濁し、液体と油脂が一体化しているのがわかります。

この乳化の質の違いが、カカオドリンクやガナッシュに仕立てた時の口当たりに大きく影響します。

2.ハイカカオチョコレートの乳化実験

続いて、カカオ分86%のクーベルチュールで作ったカカオドリンクの比較です。どちらも80度のお湯100mlに対して、チョコレートを30g加えています。

ハイカカオチョコレートの乳化実験

同じ材料でドリンクを作っても、乳化の有無で仕上がりは大きく異なります。ホイッパーで攪拌したものは、一見チョコレートが溶け混んでいるように見えますが、実際には油脂が混ざり切っていません。カップの淵を見ると、油脂の塊がざらっとした質感で残っているのがわかるかと思います。

一方CLOSERで乳化したものはミルクを加えたように明るい色合いになり、ざらつきもなくつややかな質感に仕上がります。

3.顕微鏡写真で何が起きているか確認

水分と油脂の状態をより正確に観察するために、顕微鏡でも比較してみました。分量はお湯100mlに対してカカオ分72%のチョコレートを10g、顕微鏡の観察倍率は2000倍です。

温めながら撹拌するタイプのチョコレートドリンクメーカーの顕微鏡画像では、油脂やチョコレートの固形分がまだらに存在しており、ミクロレベルで見ると液体とチョコレートが均一に混ざっていないのがわかります。

CLOSERで乳化したものは、細かな気泡のようなものが均一なバランスで存在しているのがわかります。
これは油脂が細かな粒子に切り分けられ、液体の中に溶け込んだ状態です(水中油滴型の乳化といいます)

このミクロレベルでの乳化性能が、ドリンクに仕立てた際の口当たりや味わいの違いにつながります。


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