見出し画像

適応障害になって仕事を辞めた話①

タイトルのとおり、私は適応障害と診断され、それまで続けていた仕事を1ヶ月半ほど休職した後、そのまま退職した。現在は傷病手当金の給付を受けながら療養に専念している。

こうなるに至るまでのことを思い出すのは辛い部分もかなり大きいので、一度に全てを書き記すことはできないが、今回自分がこのような状況になって感じたことを書けるうちに書いておこうと思い現在に至る。

守秘義務や私が個人的に詳しく突き詰めたくないこともあるため、あまり事細かに詳細を書くわけにはいかないのでざっくりと経緯を示すと、事の発端は職場の上司との連携不足…特に上司からの連絡・伝達事項の確認漏れが多く、私がストレスを非常に溜めて発散できないまま仕事していたことだった。私はこれまで3年ほどその仕事(パートの小売業で、パートから正社員登用を目指していた)を続けていて、該当の上司とも単なる性格上の相性の悪さだけだったらまだ耐えつつストレスを発散し、仕事を続けることはできたかもしれない。なんなら、別の上司の中でも個人的にあまり好ましくない性格の人がいたが、その人と接することによるストレスは何とか職場の同僚や先輩の方々と発散し合いながらやり過ごせてきた。だからこそ、私は自分が人間関係だけで適応障害にまでなってしまうとは思っていなかった。私という人間の心の脆さ・弱さを甘く見積もっていたのだ。

こういった職場環境からくるストレスによる自分の心身の異変に気づいたのは2021年5月頭で、遡ると前4月から少し許容範囲を超えて無理をしていたように思った。職場の同僚や先輩とお互い愚痴や不満を話すだけではストレスをやり過ごすことができなくなってきていたのだ。それから私は周りの友達複数人が「辛くて耐えられない時は一人で耐えようとせずに心理カウンセラーや心療内科を頼った」と言っていたことを思い出し、5月末に職場近くの心療内科に初診予約の電話をかけた。予約が取れた日はそれから約1ヶ月後の6月末だった。

心療内科での診察初診から、同病院でのカウンセリングも受けつつ、当初は私がパートという働き方をしていたこともあり、別の職を探して転職をすることでストレス源を断つ方向性で考えつつ、それまでの間の不眠や不安等の症状を抑えるための処方箋を貰いながら通院を続けていた。

しかし、私が転職先を決めるまでの間に職場環境が急変し、これまで私の悩みを親身に聞いてくれたり職場の雰囲気を明るくしてくれていた方々の異動が次々と決まってしまい、それからほどなくして私の心は折れてしまった。最大のストレス源であった上司からの連絡・伝達漏れは相変わらずで仕事がしづらく、とても息苦しく感じたが、職場ではこれをパワハラだとは認めてもらえず、同僚や先輩達は心配してくれたが私達だけで職場環境の現状を改善することはできず、その結果であった。8月半ばのことだった。

この時私は、体調不良(酷い頭痛や腹痛など)から仕事に遅刻して行ったり早退してしまうことが増え、希死念慮すら浮かんで最寄りの駅に着いてからそのまま帰宅せずにしばらくホームに立ち尽くしてボーッとしてしまったり、友達に電話して泣きながら「死にたいよ」と訴えるほどに心身が疲弊しており、そのことを通院先で主治医に相談した結果が診断書つきでの「休職」であった。そして休職の期間中、現状以上に私に合った環境調整はその職場では叶わない(最大のストレス源である上司の異動は、パートである私の一存では難しい)であろうことがわかっていたので、退職の決意をし、休職期間中に退職届を提出し、10月に退職をした。同僚や先輩は良い人ばかりだったこともあるし、仕事内容にも慣れて自信がついていたこともあり、これまで3年続けてこれた職場を辞めることは辛い決断であったが、それ以上に心が限界を訴えていた。

そういった経緯で今(11月現在)は傷病手当金の給付を受けながら心の傷の療養をしている。傷病手当金の給付についてはまた別途記事を書きたいので今回は給付を受けているという事実のみ記しておく。


さて、今回このような経験をして私が感じたこと・伝えたいことを記していく。

①心の傷を受けて心の病気になる、ということは誰にでも起こりうる

上記のとおり、パートではあるが3年ほど同じ仕事を続けていて、性格上あまり合わない人ともそれなりに仕事をしてこれた私としては、「特定の上司との相性の悪さ」でここまで自分が心身共に傷ついて動けなくなってしまうこと自体がショックだったし、今でも仕事を続けられなかったことにショックを感じている。しかしそのショックとはこれからゆっくり休みつつ向き合いながらストレス耐性を再びつけていくとして、今回のことで初めて心療内科を訪れた私は、待合室にいる人々の世代の幅の広さに驚いた。私と同じくらいか、もう少し若そうな方もいれば、私の親くらいの方もいた。その時私は、「心の不調・病というのは誰にでも起こり得るものなんだ」と実感した。よく言われがちな「心が弱いから病気になる」のではなく、どんなに強い(と思っている)人でも、どんな年齢でも傷つくときは傷つくし、心が折れてしまう時はある。だから、もしこれを読んでいて思い当たる節がある人は躊躇わずに心理カウンセラーや心療内科などを頼ってもいいんだ、と伝えたい。

②一度受けた心の傷は簡単には回復しない、からこそ焦らずに休む。

これも人によるだろうが、私の場合は仕事を休んだら、辞めたらすぐ回復できる、そうしたらまた別の仕事を探そう、とある意味楽観的に構えていた。しかし現実はそう甘くはなかった。休んでる間も、辞めた後も、あぁ、(休んで)辞めてしまった…これからどうすれば…とぐるぐると不安を巡らせる日々で、身体は横にしているのに心は全く休まらない…そんな日々だった。私が休んでる間にも元同僚や先輩達、そして家族は働いている、そういう思いが私を更に不安にさせることもあった。更に仕事を辞めたことで、傷病手当金を受け取れるまでの間の経済的な悩みは尽きることはなく、このまま一生立ち直れないのではないかと思う毎日だった。今の私は傷病手当金を受け取れたことで経済面での悩みが一つ解消され、これから少しずつまた通院を続けて社会復帰に向けて頑張って生きよう、という気持ちになっているから今これを書いていられるわけだが、最初に記したとおり、心の傷は簡単には癒えない。だからこそ、受けられる保障(今私が受けている傷病手当金制度や、人によっては労災、失業保険など様々だが)はしっかりと受けて、その上で傷つけられた倍の時間を使ってやる!くらいの気持ちでゆっくりと傷を癒やしていこうと思うし、同じように悩んでいる人にも、ゆっくり回復していってほしいと影ながら願っている。心に傷を受けたことが原因で休むことは絶対に悪いことではないし、十分に傷が癒えていないうちから職場復帰や新しい仕事探しをしても、もしかしたらまた精神が落ち込んでくりかえしになってしまうかもしれない。とにかく、医師やカウンセラーの方々や、理解のある家族や友達、パートナーなどの存在を頼りながら少しずつ、一歩ずつ傷を癒やしていくことが重要なのではないかと考えている。私自身もまだ回復の途中なので、もし同じような境遇の方がいたら一緒にゆっくり休んでそれから頑張っていこうね、と声をかけたいし、今後私のような状況になってしまった人にも、お疲れ様。今はゆっくり休んで、受けられる保障を受けて、それから少しずつ進めるようになってから進めば良いよ、と言いたい。

③辛い気持ちを我慢しないこと

①②と被ってしまう部分もあるが、「辛い」という気持ちを我慢せずに定期的に発散できる場所や相手の存在は重要なので、職場の人や友達、それから自分の趣味など、辛い気持ちを吐き出したり昇華できたりする手段や時間を確保することはとても大切だ。しかし、私自身いくら職場の人々や友達と時間を作ってストレス発散したり、趣味のゲームやショッピングを楽しんだりしてもストレスを完全に消し去ることができず、この「ストレスを溜めない・発散する」ことそのものが難しいんだよ!という気持ちに私は何度もなったことがあるので、そういう人の気持ちもとてもわかる。ストレス発散できない、我慢しないといけない……そんな状況の時こそ、心理カウンセラーや心療内科を頼って相談するべきだと私は思う。私は医療従事者でも何でもないので軽率に通院を勧めるのはどうかとも思うが、やはり自分や周囲の人々との交流だけでは耐えきれないものを無理に耐え続けるよりは、心の問題に関するプロに相談するのが一つの手段として有効なのではないかと思うのだ。実際私の行った心療内科には待合室にさまざまな年代の方がいたし、最初は抵抗があるかもしれないけれど、辛い現状を変える一手として、医師の方や心理士の方は必ず力を貸してくれるはずだ。そして私自身初診の予約が取れたのが一ヶ月弱後だったこともあるので、「辛い」気持ちがどうしようもできない人ほど、早めに心療内科や精神科の受診、あるいは心理カウンセラーへの相談を視野に入れてほしい。


この記事を公開することは怖いし、その一方でまだ書き足りないこともあるが、この記事が未来の私にとっての「こんなこともあった」という良い意味での挫折とそれからの立ち直り過程の記録になると同時に、悩んで辛い思いをしている人の支えに少しでもなれば良いなと思っている。

(私自身まだ療養中の身であり、また私自身は心理医療の資格も何もない素人・ただの患者であるため、このnote記事に関して極端な医療に関する質問や意見、批判等には回答を控えさせていただきます。また、素人ゆえの明らかな間違いの記載があった場合には気づき次第、あるいは報告を受け確認し次第訂正をさせていただきます。あらかじめご了承ください。)

#適応障害 #休職 #退職 #療養 #自宅療養 #療養生活


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?