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現役園長とエディターがチームを組んで生まれたもの

『保育園を運営する園長とエディターがチームを組んで学びを深める』
Childcare Leadership Journey(以下:CLJ)は2023年1月から活動を開始しました。
今回は、2023年の上半期の活動のなかで、何が生まれたのか、対談形式で振り返ります。
(聞き手:中西)

活動まとめ

園長は「どう」学ぶ?

中西:それでは、CLJの活動を通して率直に感じたことを聞きたいんですけど……裏部さん、お願いします。

裏部: 僕がCLJの活動の学ぶ中で大事にしていた視点は「園長として、職員の育成やモチベーションアップ、保育の向上をどうしていくか」ということでした。例えば、これまで学びのテーマにしていた『働き方改革』や『こどもの暮らし』。これらのテーマは自園で変革しようと思っても、どれもこれも一筋縄ではいかない。

なんとか自分なりに取り組んでみようとはしたんだけれど、「そもそも、どこから、どう取り組んだらいいのか、どこで学んだらいいかわからない」という想いが強かったんです。しかも、それが上手くいっているのかもわからない。そんな折に、すでに実践されている先輩園長に、自分の課題を直接相談できたのは大きいと思います。

中西:確かに、直接話を聞けたのは大きかったですよね。
実績を出しているおふたりの話を聞いて、『自分の取り組みの方向性が間違いではなかった』と安心する部分と、逆に『そこまで戦略的に考えなければいけないんだ!?』と課題が見つかる部分がありました。

(コチラの記事の取材に同行しました。)

裏部:自分でも薄々はわかっていたんですけど……。野上さんが話されていたように、「働き方改革をするためには、人を増やせばいい」っていう簡単な問題ではなかったんですね。

それに、野上さんと松山さんは、ただ余裕をもって保育ができるようにするだけじゃなく、保育の質を上げるための実践、さらには振り返りのための評価にまで繋げていた。その話を聞いて「人を増やしたその先」をもっと学びたいと思いました。

野上さん……ウチの園に話に来て色々話してくれないかな……!

藤原:相談してみれば?

裏部:え、それはちょっと……。勇気がいるので、保留で!

中西:(笑)

学びと実践、そして課題。

中西:ところで裏部さん、学んだことを実践してみたりしましたか?

裏部:実は、ちゃんと職員がくつろげるように、休憩室を作ったんです!

藤原:即行動!すごい!

裏部:ただ、そこでも課題がでてきました……。「休憩室を作ろう!」と職員一丸となってやりたくても、「なんで休憩室?」「休憩室なんかつくっても……。」と、後ろ向きな職員もいるのですよね。コチラの想いとは裏腹に。
もう、「なんでよ!みんなの為にやってるんじゃん!」と言いたくなってしまいます……。

中西:なんでそんな風になっちゃうんでしょうかね?

裏部:う~ん……。園の人員がもともと多かったのもあるのかなぁ?
実は、以前から、国基準より1.5倍以上の職員配置は達成していたんですよ。ただ、先ほどの休憩室の例のように、人が増えたことでの障害、コミュニケーションエラーが起きている現状なんです。
そこで人間関係がこじれて、メンタルダウンする人がでてきてしまうなど、他の問題が起きてしまった。

学んだことをただ取り入れていくだけではダメなんですよね。

どうやったら経営と現場が同じ目線で協働しあっていけるのか、チームビルディングや働く人改革、職員のモチベーションをどう上げていくか、これらのことをしていくことが大切だと感じました。

改めてマネジネントの重要性に気づいたので、次はそこに取り組みたいですね。

藤原:色々な園の実践の話を聞くと、今の形になるまでけっこう年数がかかっていることが多いですよね。

何か新しい仕組みを取り入れる際に「園長だけが突っ走ってしまって息切れしてしまう」という話も聞きます。
今後のインタビューは「経過年数」や「取り組みのなかでつまずいたこと」も押さえておきたいポイントだと思う!

中西:なるほど。私はうらら保育園で齊藤さんが「こどもの権利を考える際に、まずは職員自身の感じ方を振り返る」というお話が印象的で、実践してみようと思いました。

(うらら保育園へ行った時の話はコチラ)

……が研修の時間が足りず、そこまでいけませんでした。でも、いつかはチャレンジしたいと思っています!
あと松山さんへのインタビューで人事考課制度や人を育てる仕組み作りについて学べたので、ソフトを導入したり、制度を改めて作ろうと計画中です。

藤原:中西さんは『超絶人見知りなのに単独でインタビュー行った』ってのが、すでに大きな前進だよね。
最初のころは、裏部さんの園にいくのさえ「一緒にきて~」って感じだったのに(笑)

中西:それは本当にそう!褒めたたえて!(笑)

悩みを持つ当事者がアクションする意義。

藤原:中西さんの記事は印象的でしたね。
私は普段は記者の仕事をしているのですが、取材をする時には、事前に色々な園長先生からのお話や関係者からの情報をリサーチして、それをもってインタビューに臨みます。

ただ、園長自身が抱える「具体的な悩み」を持って園長自身が話を聞きに行くと…インタビュワーの答える内容の深みが違うと思った!

裏部:へぇ~!そうなの?

藤原:私が単体で話を聞くと「(取り組みに対して)そうなんだ!すごいですね!」で終わってしまいがちなんですよね。それよりも、園長自身が「ここで悩んでるんだけど、どうしたらいいですか?」という具体的な質問を持っていく方が、相手もつっこんだ話をしてくれると思いました。

それに具体的な内容を発信した方が、悩んでる人にダイレクトに響きますよね。悩みを持つ当事者がアクションをすることはとても大切だと感じました。

中西・裏部:なるほど。

(中西の書いた記事はコチラ。)

後半は「チームで活動したことでどのような効果があったのか?」について、お届けします。

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