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リモートワークでのオンボーディング〜会社に帰属意識を持ってもらうには?〜

こんにちは〜
PRの小原(こばら)です。

当社がリモートワークになって早くも1年をすぎていますが、その間にも沢山の新入社員の方にジョインしていただいています。そこで今まで対面で行っていたオンボーディングもプログラムごとオンライン仕様に変更されました。

今回はそういったオンボーディングを始めとする、社内の取り組みをされている近藤さんと遠藤倫生さんにお話を伺ってきました。

近藤真希
採用・エンプロイーサクセス部
総務労務での業務を中心に行ったのち、従業員のエンゲージメントを高める施策をメイン業務として注力するために新設された採用・エンプロイーサクセス部に異動。リモートワーク下での縮小版オフィス移転プロジェクトや新入社員のオンボーディングを担当。
遠藤倫生
ClipLine株式会社 ビジネス・アクセラレーション部 取締役
慶應義塾大学総合政策学部卒業後、教育業、写真・映像制作業で起業後、2013年にClipLine株式会社に参画。映像撮影・編集の豊富な知見を活かしたコンテンツ部門統括を経て、新規事業・採用・PRを統括するビジネス・アクセラレーション部門統括に就任。

名称未設定-2▲近藤さん(写真:左)と遠藤さん(写真:右)

会社の成長とリモートワークが重なり、必須となったオンボーディング

小原:前提の話からお伺いしたんですが、リモートワーク以前の当社のオンボーディングってどんなものがあったんですか?

遠藤:入社時のオリエンや各種研修、親交を深めるためのウェルカムランチなどはありました。ただ、当社を含むスタートアップは創業期からしばらくは中途のスペシャリスト採用しかやりません。オンボーディングという概念は、あって無いようなものでした。スペシャリストですから、必要な情報は自分から取りに行って当たり前。コミュニケーションの仕方も、問題がなくて当たり前。リモートワークでも問題なくやってました。
組織が大きくなって、分業が進み、若手や外国出身者などの入社が増える中で、きちんとオンボーディングをして必要な情報や、会社に属している意識を持ってもらう必要があるということに気付きました。

近藤:私も今はオンボーディングや新入社員の方がスムーズに業務を始められるまでのサポートをしていますが、自分の入社時期がちょうどリモートワークが始まったところでした。対面でのオリエンテーションがなくなってしまい、当社で働くための必要最低限は分かったけど会社全体がどんな雰囲気なのか、どんな人が働いているのか、明確に分からないままになっていてどうにかしたいなと思っていました。総務労務担当としてオフィス移転プロジェクトなども取り組んでいたので、自分がそのままリモートワーク中の社内の環境を改善する役割をすることになった時に、自分で感じたことを改善できるプログラムを作ろうと決めました。

社内の暗黙知を明確にして伝える

小原:そこから具体的にどういったフローでオンボーディングの仕組みを考えたんですか?

近藤:まず初めに最低限必要な入社オリエンなどはあったので、その整理とオンラインでの実施。次に取り掛かったのは、社内の暗黙知をきちんと新入社員の方も理解できるように伝えるため、シートにまとめて整理していきました。

スクリーンショット 2021-05-12 22.41.15▲オンボーディングプログラムの一覧シート(一部)

遠藤:これがそのシートの一部です。オンボード(onboard)って自動詞も他動詞もあって、自分から必要な情報を取りに行って欲しいのですが、そもそも「何を知らないかを知らない」カテゴリの知識は、自助努力では習得が難しいですね。そこで、会社側から社員にオンボードしてもらうための取り組み、もしくはその機会をより正確に設けるために書き出して整理しています。

近藤:例えばその機会として、新入社員に各部門の代表者から業務内容説明と質疑応答の機会を設けたり、誰がやっている業務が誰の仕事につながるなど、人物ベースで仕事全体の流れを理解してもらうことも大切にしています。
あとは、他のリモートワークをしている優良企業が社内環境改善のためにどんな取り組みをしているのかなどの情報は積極的に取り込み、自分や社内の人の前職での取り組みでいいと思ったものは取り入れるなど、試行錯誤していますね。

画像3▲カードゲームをしながら週一回行われるランチ会(緊急事態宣言解除下)

組織へのオンボーディングと業務へのオンボーディングは分けて考える

小原:そういったフローにはどういった思考がベースにあるんですか?

遠藤:「組織へのオンボーディング」と「業務へのオンボーディング」を分けて整理することが大事です。
最近は企業と個人の関係にも多様性が生まれつつありますが、いわゆる「ジョブ型」雇用だろうと「メンバーシップ型」雇用だろうと、労働契約としては同じで、会社と個人の関係性は、多分に組織の文化によるところが大きいです。
例えば、正社員であっても業務委託的な働き方をする人っていますよね。そういった方は、会社と自分との関係が業務と労働と報酬との関係性に閉じているので、組織人としての役割が薄いです。必要なのは業務へのオンボーディングだけでよいということになります。
一方で、組織の中の一員であることの意味を考えると、他部署に助言をしたり助言をもらったり、他の社員と協働関係になったりというふうに、利他的行為のエコノミーの中にいることが期待されます。社内で異動を希望したり打診されたりするのは、組織貢献と自己実現の文脈がないとあり得ません。「組織の中の一員」としての正社員であれば、オンボーディングでは業務範囲を超えて、組織と中の人について深く知ることが求められるわけです。
当社での働き方がどうあるべきかを考えると、後者であると私も代表も考えています。組織の中に個人がいるという形が望ましい。
ですので、もちろん業務へのオンボーディングも必要ですが、組織へのオンボーディングがいかに上手くできるかによって我々の戦闘力が大きく変化していくのではないかという気付きを与えてくれたのが、リモートワーク環境でした。

近藤:そうですね。そういった組織の一員になったという意識を持ってもらうためにも、例えば代表取締役の話を聞く、マネージャー層の話を聞くことで、会社の目標や自分の向かう方向性を理解するきっかけになればいいなと思っています。
また、会社として永続的に成長し、社員が当社で働くことを楽しいと思えることも目標です。今までの経験を通して、「働いていて楽しい」というのは、社員間での協力し合って何かを成し遂げていくことだと感じています。そういう機会を作るためには、日頃からのコミュニケーションが大切だし、雑談から何か生まれる事もあるでしょうし。その土台作りをオンボーディングが果たせればと思いながら試行錯誤しています。


遠藤さん、近藤さん、ありがとうございました!
オンボーディングが様々なきっかけづくりの場になることがわかり、リモートワーク下ではこれからもっと重要な機会になるでしょう。
社員の活躍・生産性最大化が期待できますね。

それではまた次回の記事で会いましょう!!