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留学には欠かせない考え方!クリティカルシンキング

学生からの留学に関する質問で、「留学をして世界中の人と繋がりたいんですが、どうすればいいですか?」と聞かれたことがあります。同じ期間留学をしても、外国の人と繋がれる人と、なかなか繋がれない人がいますよね。この2人の違いは何でしょうか。私は、「クリティカルシンキングを身につけているかどうか」にあると思います。

クリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキングは、日本語で「批判的思考」と訳されます。批判ばかりする人のこと…?ではないです。(笑)
クリティカルシンキングとは、前提条件に疑問を持ち、客観的に物事を見る。そして「なぜそうなるか(why)」を深く考える。それにより、ベストな解決策を生み出す考え方です。

ビジネスなどでよく紹介させている、この考え方。実は留学でもとても役に立ちます。そしてもちろん、大学生の留学なら、その後の就職活動でも大きなメリットになります。

なぜクリティカルシンキングが大切なの?

クリティカルシンキングは、留学において欠かせないと言って良いほど、重要な考え方です。なぜなら、英語圏の人はほとんど全員、この考え方を教育を通して持っているからです。実際カナダでは、クリティカルシンキングを取り入れた教育が中学校から大学まであるそうです。(びっくり!笑)
留学先にもよりますが、海外の学校ではディスカッションする機会が多くなります。その中で、話を聞くだけでは留学先の勉強についていくのが難しくなります。完璧な英語でなくても良いので、自分の考えを言う。それに欠かせない基礎の考え方がクリティカルシンキングです。

また、勉強面だけでなく、留学中の日常生活でもクリティカルシンキングは役に立ちます。英語圏の人は「なぜ?」とよく聞きます。そこで、「分からない」とだけ答えると、その先仲良くなる事は難しいです。ここで、自分ことを客観的にみて、「なぜ」かを考える。その後ろにある文化的な背景や家庭的な背景に気づくことによって、自分に対する理解も深めることができます。そして、「なぜ?」に答えることによって、あなたの経験や価値観、文化や家族観を共有することができます。外国の人との絆を作る大きなツールとなるのがクリティカルシンキングです。留学は、この考え方を理解し、何度も繰り返し練習して、身につけていく大きなチャンスです。

ここで、私がよくする練習方法を参考までにご紹介します🙋‍♀️
シンプルに、時間をかけて「なぜ?」を考えるだけです。(笑)考える内容は、特に自分のこと。なぜ、これが好きなのか。なぜ、モヤモヤするのか。なぜ、これが欲しいのか。ランダムにノートに書き出します。客観的に、深く、自分の好きなものや感じているものを見ることで、自分でも気づかなかった「自分」を、知ることができます。

留学だけでなく、あなたの人生そのものをより豊かにしてくれるのが、クリティカルシンキング。
その人や文化を「理解できない」と諦めるのではなく、その人や文化と繋がる大きな架け橋になってくれます。

クリティカルシンキングの具体例1:スパゲッティの木

クリティカルシンキングの有名な例として、1957年4月1日にイギリスのBBCの時事番組が放送した「Spaghetti tree」というレポートがあります。放送内容は、「スパゲティの木」が存在し、スパゲッティは木からなる、というものでした。実際の放送映像も、YouTubeに上がっています。
ここで、クリティカルシンキングの質問です。なぜ、時事番組がこの「スパゲッティの木」を放送したのでしょうか?
もう一つ踏み込んだ質問です。前提条件として、この情報は正しいでしょうか?

テレビの時事番組の情報は正しいと信じますよね。私もテレビでこの放送をみると、信じてしまうかもしれません。(笑)クリティカルシンキングは、前提条件、つまり「テレビの情報は正しい」ということを疑います。海外の人は本当に正しい情報なのか、情報源を調べます。もちろん、「スパゲッティの木」は嘘です。(笑)

次になぜ信用が大切なテレビが、こんな冗談を考えて、嘘を放送することになったかを考えます。もちろん日付だけで「エイプリルフールだから、ジョークを放送した」と言う人もいるかもしれませんが、この番組はクリティカルシンキングの大切さ、情報を鵜呑みにすることの怖さを伝えたかったのだと思います。

クリティカルシンキングの具体例2:語学学校での実体験

私は1年間の留学中、語学学校と大学の正課授業を受けました。大学附属の語学学校で経験した”クリティカルシンキング”は、私の大学の正課授業では欠かせない考え方となりました。

私は大学附属の語学学校のアカデミックコースを選択しました。当時の先生は、いきなり訳の分からない論文を持ってきて、読むように言いました。その後、その論文について、ディスカッションが始まりました。なぜこの論文を読むのか、何のためのディスカッションなのか、答えは何なのか、さっぱり教えてくれませんでした。

授業が進むにつれ、欠席する留学生も出てきました。「何の授業なのかさっぱり分からない」と不平不満をいう学生もちらほら… 私もついて行けず、自信を失いかけていました。そんな時、先生は「なぜ私がこの文章を持ってくるか、一度考えてみてください。」とヒントをくれました。

ここで、脳が活性化されていくのを感じました。(笑)「はっ!」という気づきを与えてくれるのが、クリティカルシンキングの醍醐味です。

まず、前提条件。「先生は答えを教えてくれる」ということを疑いました。ここはカナダだし、日本じゃないし…(笑)そうすると、「先生は答えを教えたいんじゃなくて、生徒に自分で考えて答えを出して欲しいんじゃないかな?」ということに気付きました。それからは、「答えを待つ姿勢」から、「考える姿勢」に変えることにしました。

そして、「なぜ」先生がこんな訳の分からない論文を持ってくるのか、目的を考えました。そうすることで、授業の目的が見えてきました。これが「悪い論文」と気づくことができれば、今後、悪い論文を参考にすることはない。なぜ悪いのか、どこから判断できるか、その見分ける力と、考える力を養うために、こんなにディスカッションをしてるのかも!と気づくことができました。

このクラスの最後のテストは、「この論文は良いか、悪いか。そう判断した理由を述べよ。」というシンプルなものでした。クリティカルシンキングをしたことにより、結果、クラスについていくことができました。個人的にはとても満足する授業でした。しかし、クリティカルシンキングを知らなければ、先生の答えをずっと待ち、クラスの中の議論も何のためなのか誰も教えてくれず、迷子になっていたと思います。

まとめ:クリティカルシンキングは自分をより豊かにしてくれる

日本人にはあまり馴染みのないクリティカルシンキング。前提条件を疑い、客観的に物事をみて、なぜかを考える。そうすることで、物事のはっきりとした目的とベストな解決策が見えてきます。それは、自分を深く知るツールにもなります。

留学で、なぜ?と聞かれたら、時間をかけて考えてみてください。 あなたに関する質問であれば、答えは必ずあなたの中にあります。そして、深く自分を見ることができたら、自分を褒めてあげてください😊

クリティカルシンキングで、自分や物事を深く知り、あなたの留学、そして人生が豊かになりますように。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました😊



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