前回
五月二十九日の土曜日の夜、リヨモは寿得神社の離れで、物思いに耽っていた。
「燐光ゾウオ、殺刃ゾウオ、念力ゾウオ、剛腕ゾウオ…。ジュエランドを襲ったゾウオは、壊猛ゾウオを残すのみとなりました」
リヨモは雨のような音と耳鳴りのような音を鳴らしながら、夜空を見上げる。
(しかし、ワタクシの知らないゾウオが二体も送り込まれてきました。また新たなゾウオが創られる危険もあります…)
戦いは終わる気配が無い。依然として、光里たちを危険な目に遭わせ続ける。自分が地球に亡命してきたせいで、光里たちはかつての平穏を奪われた。光里たちはそれを否定するが、ずっとリヨモは罪悪感を抱き続けていた。
次回へ続く!