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丁寧に生きる。

仕事をしつつ、イベントなどに出ることが多い私は、父によく「これを使ってこうして欲しい」とか、「このペンキ塗りをお願いしたいんですが」と頼むことがある。
父は何かと手伝ってくれるので仕事から帰ると頼んでいた物が出来上がっている。

なので私は、お礼にビールを買って帰る事にしている。
私が小さい頃は全く飲んでいなかったが、いつからか一日一本、晩御飯の前に嗜んでいるのだ。
先日も、頼んでいたものが素晴らしく理想通りに出来上がっていたので、ビールを買って冷蔵庫に冷やしておいた。

次の日に冷蔵庫を見てみると、ビールのすべてがなくなっている。
おや?と思った私は、父に聞いてみる。
「全部一日で飲んだの?」
「いや?自分の部屋にしまった。冷蔵庫が狭くなるから。」
そうかな?と思ったけれど、ハタと気が付いてしまった。
いや、父の行動に私なりに説明が付けられたと言うべきか。

父はきっと、一日一本ウキウキしながらビールを冷やすところからビールを楽しんでいるのではないか??

冷凍庫なら、冷えるまで45分。と、なんか呟いたいた気がするっっ!!
部屋からどのビールにしようか(私は銘柄を全部違うヤツを買ってきて色々飲んでもらっているので)考えて、ウキウキしながら冷蔵庫に入れ、冷えるのを待つ時間でウォーキングをし、まったりしてご飯の前に冷えたビールを飲んでいるのではなかろうかっっっ?!!

事前に冷えたたくさんのビールでは“ウキウキ”を味わえない。
「あーっ!!ビール飲みたい!」と冷蔵庫を乱暴に開け、立ったままで缶を開けてゴクゴク飲み干すのがいいのは若いうちだけかもしれない…。
時に人は“プロセス自体を味わう”事が大事な時がある。
ディズニーランドへ行く前の計画を立てたり、旅行の計画を立てたりするあれである。アレは実際に2倍ぐらい旅行を楽しく思わせる効果があると言う…。

丁寧ってこういう意味で大事なのかもしれない。
出来合いの物をパパパと食べてしまうのではなく、ちゃんと作って自分の為に無意味に箸置きとか置いちゃったりするぐらい時間をかけて楽しむ事に手間をかけると言うのは大事だと思った。
 
 本人が気づいているか気づいてないかは分からないが、今日も親父はまったりビールを飲むのである。


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