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探究が必要とされる時代に子どもの表現力をどう磨くか?

 一昨年から行われた新学習指導要領では、思考力、表現力、判断力が重視されています。
 特に、学校の課題で、調べ学習をして、それをまとめ、自分の考えを書いて提出させるというものが、目立って見られるようになりました。
 ですが、子どもたちにとって、自分の考えをまとめ、表現するというのはかなり難しいことだと思います。
 というのも、自分の考えをまとめ、表現するには練習が必要だからです。
 しかもそれは、知識をインプットして、問題の解答を導き出す学習とはまったく別物なので、やり方が分からないとなにをやっていいか分からず、いつまで経ってもうまく書くことができないということになります。
 
 そこで、今回は生徒さんに取り組ませている行いと共に、自分の考えを表現する練習を紹介したいと思います。

自分の考えを表現する練習 ~小学生編~

 小学生には「子ども新聞や子ども向けの雑誌の中で、興味を抱いた記事
の感想を書く」等、取り組むべきことを決めてしまいます。
 興味を持つには理由があるので、その記事のどこに興味を持ったのか等を書くようにすると、書くことがなくて困るということをなくせます。
 最初は2~3行から初めて、徐々に長く、自分の考えを書くという体験を積み重ねて、修得させるようにしていきます。
 自分の考えを書くということを習慣化して、書くことへの心理的抵抗をなくしていくことです。

自分の考えを表現する練習 ~中学生編~

 日本語の文体と知識の両方を獲得できる、読書感想文が効果的といえます。普段読んだことのないジャンルの本や、学校の教科書で読んだ本について、考え、自分の意見を持ち、文章に起こしていきます。夏休みの課題のように、腰を据えて取り組むとハードルが高いので、ノート等に簡単に書いてみるので良いと思います。
これも書くことがなくて困るということをなくせるので、表現力を磨く練習としては、取り組みやすいと思います。
 また、思考力と表現力は、読書なくして磨くことはできないので、この時期に様々な読書体験をすることは非常に大切になってきます。 

自分の考えを表現する練習 ~高校生編~

 高校生になると、表現力にも、自分独自の視点とそれを論理的に伝える力が要求されます。
 特に、高校の学習指導要領では、探究学習に重点が置かれており、自分で課題を見つけ、調べ、検討し、考えを表現するという、一連の流れが求められています。
 さまざまなジャンルの読書をして、視野、知見を広めるのはもちろんのこと、新聞の「天声人語」や「編集手帳」などのコラム記事の要約や感想を書く学校の教科書や現代文の参考書でやった評論文についての要約を書くなどをして、ロジカルに自分の意見を伝えられる型を習得することも必要です。
 推薦入試が主流になりつつある現代においては、高校生にとって、独自的に物事を見る視点と、それをまとめる表現力は、直接、進路に影響するスキルであると言えます。
 
 表現力を磨く練習から遠ざかってしまう一番の原因は、取り組みのハードルが高いことにあります。ですが、自分の中でやるべきことを決めてしまえば、取り組みやすくなります。ぜひ、自分に合った練習法を見つけ、表現力を磨くようにしてほしいと思います。

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