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短編小説

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#眠れない夜に

【月と饅頭】

【月と饅頭】

真っ二つに割られたお饅頭が歩いています。
お饅頭は片割れを探し夜の町を彷徨っているのです。
お饅頭は毎晩姿を現しましたが皆遠巻きに眺めているだけで声をかける者はいませんでした。
お饅頭は苺大福とも肉まんとも噂されました。ふざけてカマボコだよと言い出す輩まで出てきました。しかし誰も近寄らないので本当の具を知る者はいません。

空から見ている月でさえ知りませんでした。