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まぐろに自分を当てはめる、という想像をするきっかけ

ーーきっと、何年も前の私がまぐろだったら、常に命の危機に瀕していたんじゃないか。

まぐろは、泳ぐことを止めてしまうと、酸欠状態で死んでしまうといいます。初めてその事実を知ったのは、大学生の頃だったでしょうか。この世の中にそんな生き物がいるのかと驚愕した覚えがあります。

まぐろに自分を当てはめるという想像をするきっかけが、最近になって行動する大切さや難しさなどを考えているからです。
私は、何か行動を起こす前に、動く前後で起きる問題などをさまざま考えてしまう傾向にあります。
行動を起こす前に、いろいろと考えることは、悪いことではないと思っています。衝動的に動いたことで、自分が思い描いた行程を踏めなかったり、望む結果を得られなかったりする可能性もある。
そうした事態を招かないためにも、さまざまな想定をすることは必要なことでしょう。

でも……。

なるべくスムーズに物事を進めたい……。
リスクを避けるためにはどうすればいいだろう……。
こうすれば、こういった結果につながるのではないか……。
じっくり考えて、考えて、考える。
まだ行動するには早い。
なぜなら、考えているから。

そんなことばかりをこれまでくり返してきたように思います。
今から振り返れば、行動することで生じる問題に直面しないための言い訳を考えていたのかもしれません。なるべくリスクが少ない状態で、自分が望む結果を得たい。そう無意識のうちに考えていたのかもしれません。

歩いたり、走ったりすれば、転ぶリスクが上がるのは当然のことです。それを恐れていては、1ミリも動くことはできません。
そのことがわかっていながらも、行動ができずにいたからこそ(以前に比べれば行動できるようになった程度ですが……)、行動を躊躇してしまう人の気持ちがわかります。

◇◇◇

私が通っていた大学の同級生で、考えたらすぐ行動に移してしまう友だちがいました。当時の私は、彼のことがうらやましくもあり、怖くもありました。行動力はまねできるものではなく、この行動力があれば、大抵のことはできてしまうのではないかと、ヒーローのような強さを感じたこともありました。
その一方で、口にしたら動くことは、リスクがあり過ぎはしないかと、内心ヒヤヒヤしていたことも覚えています。
まるでマグロのように動きに動いていた友だちから得ることは多かったと、今から振り返るとしみじみ感じられます。

考えることが必要なときもあるけど、何かを変えようと思ったら、行動することでしか変化につなげていけないし、経験も得られない。1度や2度は失敗することもあるかもしれないけど、その経験は動いていかないと絶対に獲得することができないことだし、自分の中に経験が増えれば増えるほど、次につなげるための行動を考える選択肢が増えるのだと、今ならわかります。

何かを変えたいと思いながらも行動できずにいることは、自分を少しずつ苦しめることにもつながりかねないことだと、自分の経験からそう思えます。こうしたいと思っても、現実はいっこうに変わらず、時間ばかりが過ぎるだけだからです。焦りも大きくなる。
それよりも動いてしまったほうが良い場合があるし、動く中で考えていけば時間も無駄にはならない。そう思えるようになりました。

まだまだ私自身、行動力があるといえるような状態ではないと自覚しています。周りと比べる必要はないけど、行動力がある人を見ると、自分は十分に動けているのだろうかと疑問に感じてしまうからです。
そうした中でも、行動していけば次につながるという手ごたえも、ほんの少しですが、感じ始めています。それも行動した経験から生まれたものです。

海の中で必死に泳ぎ続けるまぐろに負けないように、自分も行動し続けたい。

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