ADHDの適職は「単独行動」と「刺激」
ADHDハンター仮説
というものがあります。
よくある「ADHDは狩猟民族の遺伝子を濃く受け継いだ人種である」
みたいな説なのですが
(アメリカ人ジャーナリストのトム・ハートマンが提唱)
今回はその要素をメタ化したうえで、それを具体的な職業に落とし込んで論じます。ただし、私の周りを見た意見が多いので視点がやや上層に偏っていることを先に指摘しておきます。(そのためにメタを入れています)
「ハンター」をメタ化すると
「単独行動」と「刺激」です。
この要素がそろっている仕事はADHDだからこそうまくこなせる場合が多そうです。
もう少し詳しく述べると…
能動的に動ける。
自分の判断で業務のやり方を決められる。
アイデアをすぐ実行に移せる。
現場で働ける。対人の仕事である。
加点型の仕事である。
成果主義である。
話す職業
といった感じになります。働きやすそう!
「組織行動」「ルーティン」は無理
逆に現代社会の仕事のほとんどがそうであるような
「組織行動」「ルーティン」の仕事はADHDには鬼門です。基本的に全力で避けたいところです。
見落としがちな点(昇進)
昇進した場合現場から離れる
管理職
事務作業が増加してくる
といったキャリアパスを描く職場では
「昇進したはいいものの全員が不幸になった」ということが起きがちです。
ハンターの仕事をしていたら猟友会の事務とハンターたちのとりまとめを頼まれたみたいな感じですからね。業務内容変わってるやん。
ただ、高いお給料は労働の集約性に支えられているわけで、そういう意味でハンター的な職務のみのまま高い賃金を得ることは難易度が非常に高いです。普通に労働年数に比して集約性が高まっていかないので。
解決のためには足で稼ぐソルジャー営業につく、つまり狩りまくることか、コンサルティングなど「高額な獲物を仕留められるハンター職」につくかになります。
ADHDの労働の生存戦略
その中でADHDの労働の生存戦略は
市場価値の高いハンターになる(高難易度かつ保証が少ない。体力気力次第)
自分もハンターしつつ、ハンターたちを取りまとめる(安定。だが現場監督者ということなので給与の上がり幅は少ないし地位がめっちゃ向上するわけではない)
という感じになります。
「ハンター」を具体化すると
それらの前提条件を踏まえたうえで「ハンター」っぽい職業を必要な資格や難易度順に列挙していこうと思います。
なぜ難易度順かというと同じADHDであっても有するスキルや資本によって取れる選択肢がはちゃめちゃ違うからですね。(当事者会で実感しました)
このnoteでは「抽象」と「具体」の両面から言いたいことをちゃんとわかってもらう事を意識したいのでリストの方も必要かなと思ってつけてます。学歴厨だからじゃないんだからね!
旧帝早慶レベルで「チャレンジ」な道
①大学教員
新しいものを追求するという意味で向いていますし安定的で高給です。しかし門は非常に狭く、テニュアと呼ばれる正規のポストは旧帝大学院同期の20人に1人実現できるかどうかというのが肌感覚です。
➁研究職
理系では正規の大学教員を目指すよりも大きく食い扶持が広がってそうな感じです。しかし同じようなことを考える高学歴修士が群がるのでこれも競争率は高そうに見受けられます。
文系の純粋な研究職を募集できるところはごく少ないですが専門的なリサーチが事業に直結する大企業では雇っているところもあるみたいです。
③弁護士
法に則るのが当然という雰囲気の中、新規の物を追い求めるというように戦い抜けるならいいのですが…
④ジャーナリスト
前述の要件にほぼ一致していますが、これも狭き門です。
⑤戦略コンサル?
僕が見ている限りADHDでコンサルタントができている方は勉強がものすごくクレバーにできるけど多動と不注意が多少あって…というくらいの本当に恵まれた能力の顕現の仕方をしている場合に限るので?をつけさせてもらいました
⑥大手営業会社
「個人の営業成績がそのまま会社の業績につながるために営業畑の人間が優遇される会社」のことです。野村証券とかキーエンスとかあのあたりを意識してます。金融とかはその気が強そう。
そしてここから難易度と給与もしくは給与の保障度がガクッと下がります。
なぜかというと先にお話しした労働集約性ががくんと下がるからです。
上に書いた職業というのは異常な職種です。
何が異常かというと個人の働きに対してのリターンを担保する特殊な条件が成立しているところですね。
教員は本来金になんかなりませんが国や公共的な役割を持つ大学が無理やり支えています。研究職も他の稼ぎを生む職員の上に成り立っています。
ジャーナリストコンサル弁護士あたりは無形財を高く売りつける圧倒的な技能か会社の余裕があります。
大手営業会社は有能な人間の人の人生をすべてペイさせて利益をたたき出す人海戦術です。
つまり本来そこに払われるべきだった額を大幅に超える何かを持っているという感じですね。対して以下の職業はペイされた分がしっかり入ってくるのでちゃんとお給料が抑えられている、といった印象です。
難易度が下がるもの
(有名大~偏差値のついてる4年制大学卒程度)
⑦塾講師
僕が社会人浪人先に選んだ職業でもあります。条件はだいたい満たしています。給与は低いし伸びないです。市場に評価されない対象を商売相手にしている上に、来客反響営業型でペイは生徒数でしか伸びないからしょうがないですね。
⑧準大手~一般的な会社の営業職
歩合や裁量が多い場合に限る、また信念に反するモノは売れないと思いますのでそこだけ気を付けてください。
ADHDのモチベーションの関係で基本+歩合が一番いいと思います。
基本のみはやや評価が物足りず、歩合のみはバーンアウトが怖いです。
あとは昇進したらどうなるかも気にした方がよいと思います。
専門卒等などの手に職系
本当に申し訳ないことにこの階層への解像度がそこまで高くはないので適当こいてたらすみません
⑨美容師(などの手に職系)
立ち仕事で会話メインで裁量権もあります。
ただしキャリアが不透明で、本当に40を超えた美容師さんをオーナー以外で見たことがなくて彼らはどこに消えてるんでしょうか?将来性と給与に不安があります。
ペットトリマーをしてる友人もいて彼も楽しそうですね。
⑩運動コーチ
⑪料理人
⑫架電など単純営業系
⑬皿洗いなど能動的に体を動かせて物理的に他者から細かいやり方を指示されない(手順に裁量権のある)仕事
⑭店舗経営者
ある種⑨~⑬の総まとめというか「ハンターのとりまとめ職」でありつつ一番の営業担当というか。キャリアアップしたい場合は大体ここを目指すことになるんじゃないかと思います。
保障度が低い仕事
学歴関係ないように見えて相関があるものであったり、ガチでピンキリ過ぎて分類不可能なものです。
⑮創業経営者
学歴と明確に相関がありますが、なくてもイケるのがこの選択肢らしいです。⑭店舗経営者と混ざることも多いです。良くも悪くもADHDの理想化された形態になるのではないでしょうか。
⑯お笑い芸人
⑰芸術関連
⑱広告関連業(クリエイター職)
⑲インタビュアー
以上です。
まだまだあると思いますし異論も多いと思うので、文句があればぜひコメントで教えてくださいね。僕も切実に知りたいです。
まとめ
まとめていきましょう、
ADHDのキャリア選択では
「単独行動」と「刺激」に着目
「組織行動」と「ルーティン」は鬼門
偉くなるには
市場価値の高いハンターになる
自分もハンターしつつ、ハンターたちを取りまとめる
※昇進したらどうなるか?もチェック
という結果になりました。ぜひ参考にしてみてください。
謝辞
長い記事を読んでくださってありがとうございます。
これからも一人のADHDとして声が枯れるまでは叫び続けていきますので
なんとか一緒に、頑張りましょう。
やっていきましょう。
それではいい一日を。