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(109)目には目を、歯には歯を

本来は「やられたら、やり返す」の意味じゃない

「目には目を、歯には歯を」
よく聞く言葉。

世の中の多くの人は、この言葉を「報復してよい」と勘違いして使用する。
「やられたら、やり返せ!!」と。

半沢直樹の「やられたら倍返し」のように。

「目には目を、歯には歯を」
は「ハンムラビ法典」「旧約聖書」の中で出てくる。原文は『旧約聖書・エジプト記・21章』
「Eye for eye, tooth for tooth, hand for hand, foot for foot.」

日本語訳とは、ちょっとイメージが違う。
「目には目を」ではなくて
「目に対しては目を」

「ハンムラビ法典」は、人々がなんとなく
「普通はこうするよね?」という曖昧な「指針」を世界初【法】にして【法の定め】の中で統治しようとしたもの。

「ハンムラビ法典」の「目には目を、歯には歯を」の元々の趣旨は、過剰な報復を抑制するものであった。つまり「報復」の推奨とはニュアンスが違う。

「旧約聖書」において、イエスは
「報復・復讐」はさらにエスカレートするだけだから意味がないのでやめなさい、の意味で説いている。

こちらが
「相手の目を傷つけたら自分の目も傷つけられる」
「相手の歯を折ったら自分の歯も折られる」
すなわち、
「相手の目を傷つけたら自分の目で償いなさい。」
「相手の歯を折ったら自分の歯をさし出して赦しを乞いなさい。」の意。

みんなが思い込んでいる
「やられたら、やり返せ」とは正反対。


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