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「読書酒紀」 5回目 放送後記

※番組が終わるたびに、パーソナリティが番組の感想を語り、番組中に取り上げた本のリンクと紹介をしていきます。

5回目リンク

「読書酒紀」第5回、テーマは写真です。
今回も先攻で語らせていただきましたのは私、瀬山となっております。
先んじてラジオ本編を聴いていただいた方はご存じかと思われますが、私は写真というメディアがあまり得意ではありません。相方ほどではありませんが、酔いと(主に)ソンタグに仮託して、近年の写真を散々扱き下ろしています。
さりとてSNSを使う上で写真は必要不可欠であり、彼奴らとの付き合いはこれからも永く続いていくでしょう。嫌なところくらいは言語化しておこう、という消極的反抗の1つの結実です。

今回紹介した3冊の本

・『写真の物語 イメージメイキングの400年史』打林俊 著
写真の原型の誕生から現代までを、技術・解釈ほか様々な面からまとめ上げた一冊。写真通史。
飯沢耕太郎氏(写真評論家)の帯文が印象的、一部引用する。
”それ(写真史)は写真という奇妙な媒体に取り憑かれた人間たちによる、「物の見方」の解体と再編のプロセスである。”
かなりの物理的厚みがあり、気後れするかもしれないが、打林氏の文体と写真資料に助けられ、見た目よりもはるかに読みやすい。


・『写真論』スーザン・ソンタグ 著 近藤耕人 訳
私自身のインプット・アウトプットの能力の低さのために、本書の魅力を1%も伝えられなかった感があり、いつかリベンジを誓っている1冊である。
本書は写真の持つ攻撃性・侵略性といった部分に端を発している。そのために、ラジオ本編にて、写真というメディアに対して各々違和感を抱えているパーソナリティ2人は我が意を得たりとばかりに誉めそやしている。
写真に特に何の感慨もない方には、少々面食らう内容かもしれないが、本書の序論である「プラトンの洞窟」だけでも読んでみてほしい。あらゆるものは本当に写真になるためだけに存在するのだろうか。

・『写真ノ説明』荒木経惟 著
荒木経惟という写真家がいる。全身全霊のエロおやじだが、人生を写真に捧げた敬虔な信徒という見方もできるだろう。
砕けた口調に”アタシ”という一人称、読者に等身大の自分を差し出すかのような口語体の語り口だが、荒木氏の写真を観れば、氏が生粋の演出家であることがわかるだろう。
観ているのか、魅せられているのか。いざ、めくるめく写鬼の世界へ。

『読書酒紀』番組URL
https://open.spotify.com/show/36X5GlyHQcAavgvrcUvIf2

お便りフォーム(いただいたお便りは必ず番組で紹介します)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf5FXfc1gEew5YN27tg3rdPEa-AZgViEM0khg_QiHzSCQukVw/viewform


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